エンジニアに人気のある投資方法

エンジニアにとって、IT技術の進化に対応するためにスキルを磨くことは重要ですが、変化の激しいIT業界に身を置くエンジニアは、将来のために資産を効率よく運用することも大切です。
ここでは、エンジニアに人気のある投資方法について、手軽に始められるものから専門的なものまで、いくつか紹介していきます。
株式投資
株式投資には、主に2つの収益源があります。1つはキャピタルゲイン(売買差益)で、株価の値上がりによって利益を得ることを目的とします。キャピタルゲインは短期間で大きなリターンが得られる可能性がありますが、株価の下落により資産が目減りするリスクもあるため注意が必要です。
エンジニアの場合、テクノロジー業界への関心が高い人が多く、テック株への投資が人気の傾向にあります。また、少額から始めたい場合には、通常より少ない株の単位で取引することができる、単元未満株取引(少額投資)が適しており、初心者でも気軽にスタートできます。
株式投資の収入源の2つ目はインカムゲイン(配当金)で、企業が利益の一部を株主に還元する配当金を受け取ることで、継続して安定的な収益を得ることができます。インカムゲインは基本的には売買が不要のため、投資に時間を取られることがあまりないこともメリットです。
キャピタルゲインとインカムゲインのどちらを選択するかは、投資の目的やリスクなどを考慮して決める必要があります。
不動産投資信託
不動産投資は、マンションやアパートなどの不動産を購入し、運用することで利益を得る投資方法です。不動産投資は高額な資金が必要というイメージがある人もいるかもしれませんが、REIT(不動産投資信託)を利用すれば少額から始めることが可能です。REIT(不動産投資信託)の場合、投資家から集めた資金を使って不動産を購入し、その賃貸収入や売買益を配当として受け取ることができます。
REIT(不動産投資信託)は物理的な不動産を所有せずに、不動産投資のメリットを享受できるため、手軽に始められる投資手段としてエンジニアに人気があります。
新NISA
NISA(少額投資非課税制度)とは、投資で得た利益を非課税にする制度です。2024年から新NISA制度が始まったことで、以前よりも長期間にわたって、かつ大きな金額を非課税で運用できるようになりました。
新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が設けられており、どちらも積み立てる銘柄と積立金を設定すれば、自動的に買い付けが行われるため、投資のタイミングを考える必要がありません。エンジニアにとっては、投資に時間をかけることなく資産を形成することができ、税制上のメリットも享受できることから、おすすめの制度といえます。
iDeCo
iDeCoは、自分で資産を運用しながら老後の資金を準備するための私的年金制度です。毎月一定の金額を拠出し、その資金を投資信託などで運用していきます。iDeCoには、所得税や住民税の控除といった節税効果もあるため、資産を増やしながら税金を抑えることが可能です。特に将来の資金準備を考えているフリーランスのエンジニアにとっては、人気の資産形成方法といえます。
ただし、原則60歳まで解約ができないため、長期的な視点での資産形成を意識する必要があります。また、企業に所属している場合は、所属企業に「事業主の証明書」を用意してもらう必要があります。
休日やオフタイムを使ってできる投資活動

投資で継続的に利益を得るためには、投資に対する知識を身につけることや市場動向を調査することも必要です。エンジニアは本業が忙しく、なかなか時間を確保できないことがありますが、平日の仕事後や休日などのオフタイムの活用が重要になってきます。
ここでは、オフタイムを有効活用して行える投資活動について紹介します。
投資の知識をつける
株式投資や投資信託などを行ううえで、リスクを最小限に抑えるためには、基本的な投資の知識を身につけることが不可欠です。投資に関する書籍を読んだり、YouTube動画で学んだり、オンラインセミナーに参加することで、効率よく知識を身につけることができます。
投資の成功率を上げるために、基礎的な知識が身につくまでは休日の時間を使ってしっかりと勉強することをおすすめします。
経済動向のチェック
株価は経済の影響を強く受けるため、投資を行う際には経済の動向を調査することが重要です。経済ニュースサイトや新聞を定期的にチェックし、現在の市場状況や未来のトレンドを把握することで、投資先を選ぶ際の判断材料に役立てることができます。
また、国内の企業であっても海外の経済状況に影響を受けるケースが多いため、海外の経済情報を併せて収集しておくこともおすすめです。エンジニアとしての分析力を活かして、マーケットデータを読み解く力を養うことも大切といえます。
銘柄情報のリサーチ
株式投資や投資信託を行う際に、個別銘柄のリサーチは欠かせません。企業の財務状況や業績予測を理解することで、適切な投資先を選ぶことができます。
たとえば、会社四季報や企業のIR資料を活用することで、定期的に情報を集めることができます。会社四季報は、上場企業の業績や最新のデータがまとめてあり、オンラインで閲覧できるサービスもあります。現在はスマホさえあれば、インターネット上でさまざまな情報を入手できるため、オフタイムや隙間時間を使って上手く情報収集を行いましょう。
エンジニアに投資がおすすめな理由
エンジニアが投資を始める理由は多岐にわたりますが、大きな理由の1つは、本業以外からの収益を得られることです。特にフリーランスや自営業で働くエンジニアは、収入が不安定になることが珍しくありません。投資を行うことで、収入の不安定さを補うことができ、将来的な資産形成にもつながります。
ここでは、エンジニアに投資がおすすめな理由について、詳しく解説していきます。
本業とは別に収益を得られる
投資は本業と並行して収益を得る手段として有効です。エンジニアの場合、フリーランスとして働く人が多いため、投資での収入を得ることで、収入の変動に対する不安を軽減することができます。また、退職金制度がない場合でも、iDeCoを活用して老後資金を確保することが可能です。
投資には短期的に大きな収益を狙うものや、長期的な運用により確実に資産を形成するものがあるため、受け入れられるリスクや投資の目的を明確にして、自身にあった投資方法を選択するようにしましょう。
時間をかけずにできる投資もある
エンジニアは多忙な職業であり、投資に時間をかけることが難しいケースも少なくありません。そのような状況の場合、時間や手間をかけずに運用できる投資方法がおすすめです。
特に仕事の合間や休日の短い時間で、少額からでも始められる投資信託は、忙しいエンジニアに適した投資方法といえるでしょう。
市場動向を把握することができる
投資を始めることで市場や経済の動向に敏感になり、その情報が仕事に役立つことがあります。エンジニアにとって、技術のトレンドや業界の変化を知ることは、転職やキャリアアップの際にも有益です。
投資を通じて市場に対する洞察力を磨くことができ、エンジニアとしてのキャリアにもよい影響を与える可能性があります。
投資を行う際の注意点

投資は資産を増やすための効果的な手段ですがリスクも伴います。特に初心者にとっては、適切なリスク管理が不可欠です。
ここでは、投資を行う際に注意すべきポイントについて紹介します。
まずは少額から始める
投資を始める際は、いきなり大きな金額を投入せず、まずは少額からスタートするのがおすすめです。株価の変動や市場の動向は予測が難しいため、リスクを抑えるためにも、余剰資金の範囲内で行うのがおすすめです。
徐々に経験を積み、投資に慣れてきたら少しずつ投資額を増やしていくとよいでしょう。
分散投資を行う
1つの銘柄にまとめて投資した場合、株価の暴落により資産が大幅に目減りしてしまうリスクがあります。
そのため、投資のリスクを軽減するためには分散投資が有効です。特定の銘柄や業界に集中して投資するのではなく、複数の銘柄や地域、業界に分けて投資を行うことで、損失リスクを分散できます。
たとえば、日本株だけではなく外国株にも投資したり、不動産や投資信託など異なる資産に分けて投資したりすることで投資先の価格変動リスクを分散することができます。
投資詐欺に気をつける
近年では、投資詐欺や不正行為が増えてきています。特に未公開株の売り付けや、「必ず儲かる」といった謳い文句で勧誘される投資には注意が必要です。また、投資セミナーやSNS上での怪しい勧誘には警戒心を持つことが大切といえます。
信頼性の高い情報源や認可された金融機関を利用し、自分自身でしっかりとリサーチを行い、トラブルを回避するように心がけましょう。
まとめ

エンジニアにとって投資や資産運用を行うことは、将来に備えた資産形成やキャリアアップに向けた資金を確保するために有効な手段です。特にフリーランスや将来独立を考えるエンジニアにとって、投資は収入の不安定さをカバーするためにおすすめの方法といえます。
株式投資、不動産投資信託、新NISA、iDeCoといったさまざまな投資方法があるなかで自分に合ったものを選び、無理のない範囲で行いましょう。また、投資のリスクを理解し、分散投資や情報収集をしっかりと行うことで、長期的に安定した資産運用を目指すことができます。
忙しいエンジニアだからこそオフタイムを活用して、投資の勉強や経済動向のチェックを行い、キャリアアップや経済的自由を手にするために投資活動にチャレンジしてみましょう。