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GitHubとGitLabの違いとは?項目別にそれぞれの魅力を紹介

ソフトウェアのバージョン管理する際には、「GitHub」と「GitLab」と呼ばれるサービスの活用がおすすめです。いずれもエンジニアに人気のサービスですが、何が違うのか、どちらを選ぶべきなのか、と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、GitHubとGitLabの違いについて、基本から詳しく解説します。それぞれに向いているエンジニアの特徴も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

更新日: 2025/04/24
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GitHubとGitLabの基本的な違い

 

GitHubとGitLabは、主にソフトウェアのバージョン管理に使われるサービスです。名前から分かるように、いずれもバージョン管理システム「Git」と深く関わりがあります。しかし、その特徴や強みには違いがあります。

まずは、GitHubとGitLabの基本的な違いについて整理しましょう。

 

GitHubとはMicrosoft社が提供するサービス

GitHubとは、GitHub社が生み出したオンラインのバージョン管理プラットフォームです。現在はMicrosoft社の傘下に入ったため、同社によって提供されています。

GitHubという名前は、バージョン管理システム「Git」と、中心や中枢を意味する「Hub」を組み合わせた造語です。つまり、Gitの仕組みを用いて、Web上でエンジニアが集まれるようにした中心地のような存在といえます。

GitHubを使えば商用・非商用を問わず、コードをWeb上で管理・共有できます。直感的なインターフェースや無料で始められる手軽さから、多くのエンジニアに支持されています。現在では、最も多くのユーザーを持つバージョン管理プラットフォームです。

 

GitLabとはGitLab社が提供するサービス

GitLabとは、GitLab社が開発・提供するオンラインのバージョン管理プラットフォームです。GitHubと同様に、Gitの仕組みを利用することでWeb上でのコード管理・共有を可能にしています。

GitLabの特徴は、バージョン管理に「DevSecOps」の考え方を取り入れている点です。DevSecOpsとは、開発(Development)・セキュリティ(Security)・運用(Operation)の3要素を統合するアプローチを指します。開発チームと運用チームの連携を図る「DevOps」に、セキュリティの要素を組み込んだものです。

またGitLabは、コードを静的解析して脆弱性を検出する「SAST」といったセキュリティ機能も充実しています。GitHubよりも後発のサービスながら、セキュリティ重視の企業を中心に採用が拡大しています。

 

GitHubとGitLabの共通点

GitHubとGitLabの共通点は、いずれもGitをベースにしたオンラインのバージョン管理プラットフォームであることです。通常のGitはローカル環境での利用が基本ですが、GitHubとGitLabを使えばWeb上でのコード管理・共有が容易に行えます。そのため両サービスは、チームでの共同作業やオープンソース開発などで非常に人気です。

 

また、Gitの仕組みを利用していることもあり、バージョン管理周りの機能が充実しており、そのラインアップも似ています。たとえばGitHubの「プルリクエスト」、GitLabの「マージリクエスト」は、いずれもコードの変更点を共有し、レビューを受けるための機能です。名前は異なりますが、基本的には同じ要領で利用できます。

 

GitHubとGitLabの違いを主要項目別に比較

 

ここからはGitHubとGitLabの違いについて以下の観点からそれぞれ解説します。

  • ユーザー数
  • ライセンス
  • 機能ラインアップ

     

ユーザー数

GitHubとGitLabのユーザー数を比較した結果は下表のとおりです。ユーザー数の規模では3倍以上の差があり、GitHubに軍配が上がります。

GitHubGitLab
1億人以上
※2023年時点の公式ブログより
3,000万人以上
※2024年12月時点の公式サイトより


GitHubは、Gitを活用したプラットフォームとしてはGitLabよりも先発です。直感的なインターフェースにも定評があり、より多くのユーザーを獲得しています。

とはいえ、GitLabも世界規模で多くのユーザー数を持つことが分かります。どちらのサービスも、これからさらにユーザー数を増やしていくでしょう。

 

ライセンス

GitHubとGitLabのライセンスにも違いがあります。GitHubは商用ライセンスであるのに対して、GitLabはオープンソースライセンスです。

そもそも、ここでいう「ライセンス」とは、GitHubやGitLabを自社サーバーで独自に運用するために必要な「利用権」のことです。ライセンスを取得して自社で運用すれば、独自のカスタマイズや機能追加が可能となります。なお、GitHubやGitLabをクラウドサービスとして利用する場合、別途ライセンス料は発生しません。

GitHubを自社運用するためには、Microsoft社の商用ライセンスが必要です。ライセンス料はEnterpriseプランの料金に含まれていますが、基本的に費用は発生します。

一方、GitLabはオープンソース(コード公開)のソフトウェアとして開発されており、ライセンスもオープンソースです。そのため、GitLabには無料でインストールできるコミュニティ版もあり、これを用いて自社運用できます。

GitHubとGitLabではライセンスの形態に違いがあることが分かります。費用を抑えて自社運用したい場合はGitLabがおすすめです。

GitHubGitLab
商用ライセンス
・GitHubを自社運用する際には、ライセンス料が必要となる
オープンソースライセンス
・無料でインストールできる

 

機能ラインアップ

GitHubとGitLabが提供する3段階の料金プランごとに、機能ラインアップを比較した結果は下表のとおりです。なお、それぞれで異なる部分を赤太字にしています。

GitHubGitLab
【Freeプラン:無料】
・コードのバージョン管理
・コードレビュー
・プロジェクト管理
・CI/CD時間:2,000分/月
【Freeプラン:無料】
・コードのバージョン管理
・コードレビュー
・プロジェクト管理
・CI/CD時間:400分/月
【Teamプラン:月額48ドル
・下位プランの全機能
・高度なコードレビュー
・ブランチの保護
クラウド開発環境の構築
・静的Webサイトの構築

・CI/CD時間:3,000分/月
【Premiumプラン:月額29ドル
・下位プランの全機能
・高度なコードレビュー
・ブランチの保護
・チーム計画
・高度なCI/CD

・CI/CD時間:10,000分/月
【Enterpriseプラン:月額252ドル
・中位プランの全機能
・企業単位でのプロジェクト管理
・高度な監査
・自社サーバーとクラウドの連携

・CI/CD時間:50,000分/月
【Ultimateプラン:要お問い合わせ
・中位プランの全機能
・企業単位でのプロジェクト管理
・セキュリティテスト
・セキュリティダッシュボード

・CI/CD時間:50,000分/月


下位プラン(Freeプラン)だと、機能ラインアップに大きな違いはありません。バージョン管理の主要な機能を使えます。

中位プランだと、GitHubではクラウド開発環境や静的Webサイトの構築、GitLabはチーム計画や「CI/CD」に関する高度な機能が追加されます。CI/CDは、開発から運用までの各プロセスをまとめて自動化するアプローチで、生産性向上に有効です。

上位プランだと、GitHubでは高度な監査や、自社サーバーとクラウドを連携させた柔軟な環境構築が可能となります。GitLabでは、セキュリティに関するテストやダッシュボードといった機能が追加されます。

 

GitHubが向いているエンジニアの特徴

 

GitHubが向いているエンジニアの特徴は、主に次の3つです。

  • 個人開発者や小規模プロジェクトである
  • Microsoft環境での開発が多い
  • グローバルな活動を目指している

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

個人開発者や小規模プロジェクトである

GitHubは、個人開発者や小規模プロジェクトの方におすすめです。GitHubはインターフェースがシンプルで使い始めやすく、導入コストを抑えやすいといえます。大規模なコミュニティがあるため、情報収集やトラブルの原因調査もしやすいでしょう。

また、Freeプランでもプロジェクト管理といったチーム開発に必要な基本機能は利用可能です。このように、GitHubは予算が限られている場合でも運用しやすいため、個人開発者や小規模プロジェクトの方に向いています。

 

Microsoft環境での開発が多い

GitHubは、Microsoft環境での開発が多い方におすすめです。GitHubはMicrosoftが提供しているため、Microsoft製品との相性がよいといえます。

たとえば、「Visual Studio」や「Microsoft Teams」との連携機能が充実しています。こうしたMicrosoft製品を用いている方であれば、GitHubとのスムーズな連携により業務効率化を図れるでしょう。

 

グローバルな活動を目指している

GitHubは、グローバルな活動を目指している方におすすめです。GitHubはユーザー規模が大きく、営利・非営利を問わず世界中のエンジニアが利用しています。国内外のエンジニアとつながったり、知名度向上を図ったりするうえで有利です。

たとえば、オープンソース開発のコミュニティに参画し、世界中のエンジニアと協力しながら知名度向上を図ることもできます。このように、世界規模での活動を見据える方にはGitHubが適しています。

 

GitLabが向いているエンジニアの特徴

 

GitLabが向いているエンジニアの特徴は、主に次の3つです。

  • 大規模プロジェクトやエンタープライズ開発である
  • セキュリティを重視している
  • プロセスの自動化を目指している

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

大規模プロジェクトやエンタープライズ開発である

GitLabは、大規模プロジェクトやエンタープライズ開発の方におすすめです。GitLabには、チームの連携を効率化するチーム計画機能が搭載されています。チームの規模が大きい場合でも、複数人がスムーズに連携しながら効率的な開発が可能です。

また、広範な開発・運用プロセスを自動化できる高度なCI/CD機能もあります。CI/CDを軸にしたプロセスの自動化により、大規模プロジェクトの飛躍的な生産性向上を図れるでしょう。

 

セキュリティを重視している

GitLabは、セキュリティを重視している方におすすめです。GitLabはセキュリティに関する機能が充実しており、DevSecOpsの実現を容易にしてくれます。DevOpsで開発・運用の統合を実現しつつ、セキュリティリスクにも対応できるのが強みです。

たとえば、CI/CDパイプラインにセキュリティテストを組み込むことで、脆弱性の検出も自動化できます。このように、セキュリティを重視した開発・運用体制を構築したい場合、GitLabが適しています。

 

プロセスの自動化を目指している

GitLabは、プロセスの自動化を目指している方におすすめです。GitLabを使えば、高度なCI/CD機能により開発・運用のプロセスを自動化できます。DevSecOpsの実現を前提としたサービスであるため、CI/CD周りの機能が充実しています。

たとえば、小規模プロジェクト向けの中位プラン(Premiumプラン)でも、毎月10,000分ものCI/CDパイプライン実行が可能です。中位プランで比較すると、GitHubの3倍以上もCI/CDによる自動化を実行できることになります。

 

まとめ

 

GitHubとGitLabは、いずれもGitの仕組みを用いたオンラインのバージョン管理プラットフォームです。

GitHubは使いやすさやユーザー規模に強みがあり、小規模プロジェクトやグローバルな活動に向いています。

GitLabはセキュリティ機能やCI/CD機能に強みがあり、大規模プロジェクトやプロセスの自動化を図りたい場合におすすめです。

それぞれの特徴や強みを把握し、企業や個人に合ったバージョン管理プラットフォームを選びましょう。

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