JavaScriptを勉強してできること

「そもそもJavaScriptを勉強して何ができる?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。JavaScriptを勉強してできることは、主に次の3つです。
- 動きのあるWebサイトの制作
- Webアプリの開発
- スマホアプリやデスクトップアプリの開発
それぞれ詳しく見ていきましょう。
動きのあるWebサイトの制作
JavaScriptは、「Google Chrome」といったブラウザ上で動作し、Webページに動きをつけるプログラミング言語です。JavaScriptのプログラムを作れば、動きのあるWebサイトの制作が可能となります。
たとえば、画像が次々と切り替わる「スライドショー」を盛り込んだり、サーバーから送られたデータをリアルタイムに表示したりできます。このように、Webサイトに動きのある要素をプラスするのがJavaScriptの最も一般的な用途です。
Webアプリの開発
JavaScriptを使うことで、Webアプリの開発も行えます。Webサイトはブログのように情報提供が主な目的ですが、Webアプリはより高度な機能を搭載可能です。
たとえば「YouTube」のような動画配信機能、「Amazon」のようなショッピング機能がわかりやすいでしょう。こうしたWebアプリの機能を実現するにあたって、表示の制御やサーバー側とのやり取りにはJavaScriptが使われます。
ただし、JavaScriptだけでWebアプリのすべてを開発できるわけではありません。詳しくは後述しますが、サーバー側で動作するプログラムの開発には別の言語が必要です。
スマホアプリやデスクトップアプリの開発
JavaScriptを使えば、スマートフォンに導入して使う「スマホアプリ」や、パソコンに導入して使う「デスクトップアプリ」の開発も行えます。この場合、JavaScriptのフレームワーク(アプリの機能をまとめた枠組み)を活用することが一般的です。
たとえば「React Native」を使うことで、iOS・Androidの両方に対応したスマホアプリを開発できます。また、「Electron」を使うことで、Windows・macOS・Linuxに対応したデスクトップアプリを開発可能です。
こうしたフレームワークを使えば、JavaScriptをはじめとするWeb技術をベースにアプリを開発できます。JavaScriptには、Web開発以外の用途もあることを覚えておきましょう。
JavaScriptを勉強するメリット

JavaScriptを勉強するメリットは、主に次の2つです。
- Web開発での需要が高い
- 習得のハードルが比較的低い
Web開発での需要が高い
JavaScriptはWeb開発での需要がとても高いプログラミング言語です。そのため、JavaScriptを勉強することでWeb開発の仕事を探しやすくなります。
Web開発には、フロントエンド開発(ブラウザ側)とバックエンド開発(サーバー側)の2種類があります。このうち、フロントエンド開発ではJavaScriptが基本言語です。Webサイト・Webアプリの内容を問わず、多くの現場でJavaScriptが使われます。
Web系のエンジニアを目指す場合は、JavaScriptを勉強することをおすすめします。
習得のハードルが比較的低い
JavaScriptは習得のハードルが比較的低いプログラミング言語です。そのため、プログラミング初心者でも勉強で挫折するリスクが低いといえます。
JavaScriptの文法は比較的シンプルで、プログラミング経験が少なくても理解しやすいです。また、ブラウザ上でJavaScriptプログラムの動きを確認でき、煩雑な環境構築が必要ありません。世界で長く使われているため、教材も豊富にあります。
JavaScriptの大まかな勉強手順

JavaScriptを効率よく学ぶために、大まかな勉強手順を知っておきましょう。具体的には、次の4ステップで進めていくのがおすすめです。ここでは、とくにポピュラーな用途である「Webサイト制作」にJavaScriptを使う前提としています。
- テキストエディタを導入する
- HTML・CSSの基礎文法を学ぶ
- JavaScriptの基礎文法を学ぶ
- JavaScriptを用いた開発を実践する
各ステップについて、順番に見ていきましょう。
1. テキストエディタを導入する
JavaScriptは一般的なブラウザ上で実行できるため、実行環境の導入は必要ありません。ただし、コードの記述を効率化できる「テキストエディタ」の導入をおすすめします。テキストエディタを使うことでJavaScriptの実践学習がスムーズになるでしょう。
プログラミング向けのテキストエディタとしては、無料で使えて高機能な「Visual Studio Code」がおすすめです。コードの色分けや入力補完などの機能があり、初心者でも使いやすいといえます。
2. HTML・CSSの基礎文法を学ぶ
JavaScriptを学ぶ前に、「HTML」と「CSS」の基礎文法を学びましょう。Webのフロントエンド開発では、JavaScriptとHTML/CSSを組み合わせて開発するためです。
大まかにいえば、HTMLでWebページの表示内容を定義し、CSSでデザインやレイアウトを調整します。HTML/CSSで作ったWebページに対してJavaScriptで動きをつけていくため、これらの知識が前提となるのです。
最初に導入したテキストエディタを用い、実際にコードを書きながら基礎文法を覚えましょう。なお、HTML/CSSの詳細については後ほどお伝えします。
3. JavaScriptの基礎文法を学ぶ
次に、JavaScriptの基礎文法を学びましょう。テキストエディタを用いてJavaScriptの基礎文法を使ったコードを書き、ブラウザ上で動きを見ながら学びます。JavaScriptの基礎文法は多岐にわたりますが、代表的なものは次のとおりです。
- 変数(データの入れ物)
- データ型(データの種類)
- 条件分岐処理
- 繰り返し処理
- 関数(一連の処理をまとめたもの)
上記は一例にすぎず、ほかにも多数の基礎文法を覚えなければなりません。HTML/CSSよりも習得難易度は上がりますが、しっかり基礎文法を理解しましょう。
なおJavaScriptを実行する場合、HTML内にコードを直接記述するか、専用のJavaScriptファイルをHTMLから読み込ませます。そのため、HTMLの前提知識が欠かせません。
4. JavaScriptを用いた開発を実践する
そして、JavaScriptやHTML/CSSを用いた開発を実践しましょう。実際に動きのあるWebページを制作することで知識が定着し、実践力のアップにもつながります。
最初はJavaScriptの基礎文法を組み合わせ、簡単なクイズゲームなどを作るのがおすすめです。このとき、表示内容にはこだわらず、簡素なHTMLだけ用意すれば構いません。この段階では、JavaScriptのコーディングに焦点を当てて実践します。
慣れてきたら、表示も意識したWebページの制作を実践しましょう。この段階ではHTMLとCSSを組み合わせ、デザイン性のあるWebページを制作します。WebページにJavaScriptのコードをプラスして動きをつけていきましょう。
簡単なWebページの制作から徐々にレベルを上げていきます。「Vue.js」といったJavaScriptフレームワークも取り入れ、より高品質なWebページを制作しましょう。制作したWebサイトのインターネット公開にもトライしてみてください。
JavaScriptの主な勉強方法

JavaScriptの主な勉強方法は、次の4つです。
- 入門書・参考書を読む
- 学習サイトを利用する
- 勉強会に参加する
- プログラミングスクールに通う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
入門書・参考書を読む
JavaScriptの入門書・参考書を読めば、概要や基礎文法などを勉強できます。豊富な知識がつまった本を読むことで、パソコンを使わなくても多くの知識を吸収可能です。
ただし、JavaScriptの知識を定着させるためには、パソコンを使った実践学習も欠かせません。実践学習にはやや使いづらいのが入門書・参考書の難点です。
なお、JavaScriptの入門書・参考書をお探しの方は、次の書籍をぜひお試しください。
学習サイトを利用する
JavaScriptを学べるサイトを利用すれば、オンライン学習が可能です。たとえば「freeCodeCamp」では、JavaScriptの基礎文法をオンラインで体系的に学べます。
実践用のパソコンで学習サイトを利用すれば、スムーズに実践できるでしょう。また、学習サイトはアップデートが行われるため、最新の知識を吸収できるのもメリットです。
ただし、学習サイトの利用には基本的にインターネット環境が欠かせません。また、高品質な学習サイトは月額料金がかかることが多い点にも注意しましょう。
勉強会に参加する
全国各地・オンラインで開催されているJavaScriptの勉強会に参加する方法もあります。JavaScriptの勉強会に参加すれば、講師に質問したり、勉強仲間を作ったりでき、独学に心細さを感じやすい方におすすめの勉強方法です。
ただし、対面形式で開催されている勉強会だと、場所や時間の制約が大きい点に注意が必要です。また、勉強会によっては費用がかかります。
なお、エンジニアの勉強会を探す方法や参加のポイントを知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
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・エンジニア勉強会に参加したい人必見!種類やおすすめサービス
プログラミングスクールに通う
独学に不安がある場合は、JavaScriptを学べるプログラミングスクールに通うのも1つの選択肢です。スクールでは講師がサポートしてくれるため、不明点があっても抱え込まずに学習を進められます。挫折せず短期間で学びたい方におすすめの勉強方法です。
ただし、本や学習サイトを使った独学と比べて、一般的に多くの受講料がかかります。また、通学型のスクールだと場所や時間の制約が大きい点に注意しましょう。近年はオンラインで利用できるスクールも増えています。
JavaScriptとあわせて勉強すべき言語
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JavaScriptはWeb開発に欠かせない言語ですが、単体では不十分なこともあります。Web開発にJavaScriptを用いる場合、あわせて次の言語も勉強しましょう。
- HTML
- CSS
- バックエンド開発言語(SQL+1種類)
それぞれ簡単に紹介します。
HTML
HTMLは、Webページの表示内容を定義する言語です。文書を構造化して記述する「マークアップ言語」と呼ばれ、JavaScriptのようなプログラミング言語ではありません。
HTMLでは「タグ」でテキストをはさむのが基本です。たとえば、Webページのタイトルを定義する場合、<title>タイトル</title>のように「titleタグ」を使います。タグの種類は多数あるため、それぞれの機能や書き方を勉強しましょう。
CSS
CSSは、Webページのデザイン要素をカスタマイズする言語です。コンテンツを装飾する「スタイルシート言語」と呼ばれ、こちらもプログラミング言語ではありません。
CSSでは「プロパティ」を用いてさまざまな装飾を行います。たとえば「colorプロパティ」を使うことで文字色を変えることが可能です。CSSの種類は多数あるため、それぞれの装飾内容や書き方を勉強しましょう。
CSSでデザインを調整した要素に対して、JavaScriptで動きをつけます。デザイン性のあるWebページを作るうえでCSSは欠かせません。
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・HTML/CSSを勉強する方法とは?
バックエンド開発言語(SQL+1種類)
JavaScriptやHTML/CSSで作ったWebページは、ブラウザを通してユーザーが目にします。このように、目に見えるWeb要素を「フロントエンド」と呼びます。
しかし、Webページ自体はフロントエンドで作られるわけではありません。Webサイトのデータを管理したり、Webページを作ったりするのは、裏方にあるサーバーです。サーバー側のWeb要素を「バックエンド」と呼びます。
バックエンドの開発言語は、「PHP」「Ruby」「Java」など多岐にわたりますが、いずれか1つ以上は勉強しましょう。
また、データベースを操作するために使われる言語「SQL」も勉強しましょう。
まとめ

JavaScriptは、WebサイトやWebアプリの実現に欠かせない言語です。比較的習得しやすく、スキルを身につければ仕事に活かしやすいといえます。
JavaScriptスキルを効率よく身につけるためには、正しい勉強手順や勉強方法を把握することが大切です。今回の内容をぜひ参考にしてください。