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留学で学び、夜に創る。キャリアと向き合う二重生活|フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアの方にインタビューをしました。日々どんな思いで仕事に向き合い、やりがいはどこにあるのでしょうか。業務内容やキャリアの歩み、そして今後の展望について迫っていきます。

更新日: 2025/05/01
カテゴリ:

――今の仕事内容を教えてください

夕方からの時間を使ってフロントエンドの開発業務を行う

デスクに置いてあるPC

 

仕事内容

2024年9月からカナダのIT系専門学校に留学し、データエンジニアリングを学びながら、並行してフリーランスのフロントエンドエンジニアとして働いています。

2025年2月より株式会社キッカケクリエイションから委託を受け、WordPressから取得した記事データをWebアプリに表示させる機能の開発を開始。フロントエンドの開発がメインですが、バックエンド関連の業務も担当することもあります。

この案件のチーム構成は、PMとエンジニアが私を含めて3人。チーム内のコミュニケーションは、主にオンラインミーティングでとっています。

この業務で扱う人材業界のサービスは、私自身もユーザーとして利用してきたものです。ユーザー目線から何か良いアイデアがないかという点を、いつも意識して業務に取り組んでいます。

 

業務で使用する技術

現在の担当業務で使用する主な技術は、TypeScriptとReactです。PHPやフレームワークのLaravel、Webシステムを外部から利用するREST APIのスキルも必要になります。

 

勤務形態

仕事を行う時間帯は日本時間の10時~18時で、現地時間では17時~1時です。学校の授業や自習を終えた後の夕方以降の時間を仕事に充てています。

 

――今の仕事の良いところ、大変なところは?

知識とスキルを高めるために一つひとつの仕事に全力を注ぐ

マウスとキーボード

 

今の仕事の良いところ

フリーランスのエンジニアとして仕事をするメリットは、知識やスキルを高めることで収入アップを実現しやすい点だと思います。フリーランスになった当初は、収入を増やすために、できるだけ多く仕事を受けるようにしていました。複数の案件を同時に進めることもありましたが、スキルアップにつながる高品質な仕事をするには、適切な業務量に調整することも重要です。

自分が関心を持っている分野や職域の仕事に取り組みやすいことも、フリーランスの魅力です。私の場合は、アプリやツールを使うユーザー側の目線に立って開発するフロントエンドへの興味が高いので、フロントエンドの開発をメインに仕事をしてきました。

現在の業務の良い点は、不明点が生じた時にすぐに確認でき、レスポンスが早いことですね。タスク管理もしっかりしており、クライアントからの条件やリクエストが明確なので、安心して仕事を進められます。フロントエンド限定ではなく、バックエンド系の業務も含まれる点も、魅力のひとつです。

 

今の仕事の大変なところ

フリーランスのエンジニアとしての活動で大変さを感じることは、主に3つあります。

まず、フリーランスのエンジニアに求められる経験やスキルは、一朝一夕に得られるものではありません。受注した仕事一つひとつに対して、深く考えて取り組む必要があります。この点は、フリーランスとして仕事をする上で最も大変な部分だと思います。

時期によってある程度の収入の増減があることも、大変なことのひとつです。フリーランスを続けられないといった厳しい状況になったことはありませんが、参画していたプロジェクトが落ち着いたタイミングなどで月収が減ることは想定しておく必要があります。

また、新しい業務を開始する際には、仕様などの入念な確認が必要です。理解すべき事柄が多いので、大変さを感じることもあります。

 

――平日の1日の流れについて聞かせてください

昼間は専門学校でデータエンジニアリングを学び、夕方以降はエンジニアの業務を進める

 

平日の流れ

朝起きるのは、現地時間の9時30分頃。今住んでいるシェアハウスから学校までは徒歩5分の距離で、10時~14時が授業時間です。週の半分はオンラインで授業を受けています。

授業終了から17時までに学校の予習や復習などの自習を行い、家事も済ませます。

17時から深夜1時までが仕事の時間で、就寝時間は深夜2時~3時です。学校の勉強と仕事を両立させる平日はわりとハードですが、週末はのんびりと過ごす余裕があります。

勉強と仕事を無理なく両立させるためには、しっかりと気分転換をすること、十分に睡眠をとることが重要です。

 

――仕事とプライベートの切り替え方法は?

勉強と仕事を両立するにはジムでのトレーニングなどでの気分のリフレッシュが必要

 

仕事のプライベートの切り替え

気分転換は、学校の勉強と仕事の両方に取り組むために必要不可欠です。

気分のリフレッシュに効果的なのは、ジムでのトレーニング、ジャグジーやサウナ、仕事とは関係のない本を読むことなどです。

トレーニングをすると頭の中がスッキリして、集中力がアップします。そのため、疲れている時ほどジムに行くように心がけています。ジムに行く頻度は、週に3~4回です。

今住んでいるシェアハウスには共用のジャグジーとサウナがあるので、気分を変えたい時に利用しています。

気分転換のための読書は、SNSで面白かったと言われている歴史や哲学などの教養書を中心にチェックして読むようにしています。

 

――フリーランスのフロントエンドエンジニアになったきっかけは?

副業からフリーランスとして独立。SIer勤務を経て留学に挑戦

コード

 

エンジニアになったきっかけ

元々、専門学校卒業後の約5年間、建築業界で仕事をしていました。大工として4年間働いた1社目の会社を経て、建築資材の営業職として転職。この2社目の会社に在籍中、今後のキャリアアップに役立ちそうだと考え、独学でWeb制作の学習を始めました。学習を進めるうちに、IT業界への興味が高まっていきました。

制作物のポートフォリオを作って友人や知人に見せていたんですが、少しずつ仕事を依頼されるようになり、まずは副業としてエンジニアの仕事を開始。その後、受注量の増加にともなって、フリーランスのエンジニアとして独立しました。

フリーランスは、自分から人と関わって自分の知識やスキルをプレゼンテーションする必要があります。そうしたコミュニケーションスキルは、前職での営業職の経験を通して身につけることができたと感じています。

 

留学先でエンジニアとしての活動を始めたきっかけ

フリーランスとして活動するうちに、より規模の大きな案件に参画してスキルを高めたいと考えるようになり、2022年から約2年間はSIerの社員として仕事をしました。

以前から希望していた海外留学に挑戦するために前職を退職し、2024年9月にカナダに渡航。IT系の専門学校に通いながら、フリーランスのフロントエンドエンジニアとして仕事をするようになりました。

2025年2月から始めた現在の仕事は、ユーザーとして利用してきた人材系サービスの案件で、興味深い業務内容だと思いました。

 

――これまでの技術学習について聞かせてください

Web学習サービスや書籍、実務からさまざまな知識やスキルを習得

 

これまでの学習内容

建築業界で働いていた初学者時代は、オンラインプログラミング学習サービスのProgateドットインストール、YouTubeの動画教材などを活用して、Web制作の基本やReactやTypeScriptなどを学びました。

フリーランスのエンジニアとして活動した後に、スキルアップをめざして2022年に入社したSIer在籍中は、業務で得た知識と経験にくわえ、書籍での自主学習も行いました。この会社で担当した業務は、実に多種多様です。たとえば、消費電力量のデータを表示して電気代を管理するアプリ、水田の水位や気温といったデータを表示する農家向けのアプリ、e-learning用のアプリ、株価の推移予想を表示するアプリなど。実装していて楽しいものが多く、フロントエンドエンジニアとしてのスキルを高めると同時に、バックエンド開発の経験を積むことができました。

海外留学することを決めてSIerを退職して以降は、留学準備のための英語学習に力を注ぎました。エンジニアに転身後は資料などで英語を読むことが多かったので、少しずつ英語の勉強をするようになっていたんです。留学を検討し始めてからは、文法や単語を本で学び、オンライン英会話も受講。留学先の学校への入学条件に定められているTOEICスコアを取得した後に、学校が主催するオンラインのイングリッシュクラスで4か月間、実践的な英語を勉強しました。

カナダに渡航した2024年9月以降は、学校で専攻しているデータエンジニアリングについて体系的に学びながら、エンジニアの業務を通してReactやTypescript、Kubernetesなどのスキル向上に取り組んでいます。

主な学習内容
2021年~2022年Typescript、React
2022年~2024年TypeScript、React、PHP、Laravel
2024年~現在データエンジニアリング、TypeScript、React、PHP、Laravel、Kubernetes、英語

 

――おすすめの技術書は?

実務に役立った技術書と、興味深い内容の洋書

 

技術学習に役立った本 

プリンシプルオブプログラミングリーダブルコード良いコード/悪いコード

技術学習に役立った書籍は『プリンシプル オブ プログラミング』、『リーダブルコード』、『良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門』の3冊です。いずれも、SIer在籍中に読みました。どの本も内容がとても具体的で、実務に活用しやすい技術書だと思います。クラス設計や変数、関数の命名をどのようにすれば保守しやすいコードになるかを例を用いて記述されていたので、実務ですぐ活用できました。

特に『プリンシプル オブ プログラミング』は、プログラミングの原則や開発思想、取り組み方の理解に役立った印象深い本です。

 

おすすめの洋書

System Design Interview

The Culture Mapthe WORLD IN 2025

留学の検討を始めた頃から、英語学習も兼ねて面白そうな内容の洋書を読むようにしています。

システム設計に関する実践的な問題と回答を収めた『System Design Interview』、世界各国の国民に見られる特徴や傾向を紹介した『The Culture Map』、2050年の世界の経済やテクノロジー、環境などの予測を示した『The World in 2050』の3冊は特におすすめです。

 

――今後のキャリアパス、興味を持っている技術をお聞かせください

Kubernetesは非常に魅力的な技術。将来はベストプラクティスを提案できるテックリードになりたい

 

興味のある技術

フロントエンド開発に使用するReactやTypescriptには、エンジニアに転身した頃から興味を抱いています。ユーザーから高く評価されるフロントエンドを作るには、ReactやTypescriptなどの技術に関する深い理解が必要です。フロントエンドエンジニアとしてのスキルアップのために、これらの技術の経験と学習を続けていきたいと考えています。

コンテナの管理や自動化に使うKubernetesも、興味深い技術です。キャッチアップは容易ではありませんが、知れば知るほど活用範囲が広がります。将来は、このような素晴らしいシステムやツールの開発にも携わりたいと思っています。

 

今後のキャリアパス

カナダ留学は2027年4月までの予定で、留学中は学業とエンジニアの仕事を両立させていくつもりです。日本に帰国後は、まずは裁量権の大きな業務を担当できる会社に入社して、専門スキルやマネジメントスキルの向上に取り組みたいと思っています。

将来的には、技術の選定やチームをまとめる役割を担うテックリードをめざしたいと考えています。そのために知識や経験をさらに増やし、クライアントから相談や質問をされた時に、ベストプラクティスを提案できるようになりたいですね。

 

――フリーランスのエンジニア、フロントエンドエンジニアの適性があるのはどのような人だと思いますか?

仕事について深く考えて取り組むことのできる人、常にユーザー視点を考慮できる人

本の上にあるiPhone

 

この職種に適性がある人

一つひとつの仕事のことを深く考えた上で、全力で取り組むことができる人は、フリーランスのエンジニアに向いていると思います。

自分から積極的に人と関わって「こういう仕事をしてきました」と自信をもって明確に伝えられることも、フリーランスのエンジニアの大切な適性です。

フロントエンドエンジニアに向いているのは、仕事が好きで、疑問を解消したり新しい技術を習得したりするために、自分で試そうという姿勢がある人だと考えています。常にユーザーの立場や視点を考慮しながら仕事をすることも、重要な資質です。

 

私のおすすめガジェット

モニターアーム

 

モニターアーム


作業環境を整えるためにカナダに渡航した2024年9月に購入しました。デスク上のスペースに余裕が生まれ、快適に仕事を進めることができます。

 

キーボード

 

キーボード


KeychronのK2ワイヤレス・メカニカルキーボードを、留学準備中の2024年夏に購入しました。デザイン性が高く、打鍵感も良いキーボードです。比較的安価で、ノートパソコンのキーボードと比べてタイピングの速度もかなり上がります。


ロジクール ワイヤレスマウス トラックボール 

 

ロジクールワイヤレスマウストラックボール


キーボードと同時期の2024年夏に購入。疲れにくい形状で、ショートカットキーも割り当てられるので、作業効率が向上します。

 

 

まとめ

フロントエンドエンジニアとして活躍している方の仕事内容や今後イメージしているキャリアパスについてお伺いしました。
これまでにどのようなインプットを経て現職に辿り着いたのか、今の仕事で大変なことなど実際にエンジニアとして働いているからこそのリアルな声をシェアしていただきました。
未経験からエンジニアを目指している方や転職を考えている方にとって非常に貴重なインタビューでしたので、皆様の今後の活動の参考になれば幸いです。

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