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draw.ioとは?基礎知識やできること、使い方を紹介

「draw.io」は、図を作りたいビジネスパーソンにとって非常に魅力的なツールです。draw.ioを使ってみたいものの、料金体系や使い方など不明点を抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、draw.ioとは何か基本から分かりやすく解説します。draw.ioの使い方や活用のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
 

更新日: 2025/04/28
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draw.ioとは

 

draw.ioとは、英国のJGraph Ltdが開発・提供するオンラインの作図ツールです。アカウントを作成することなく、基本的に無料で使える手軽さが魅力といえます。

エンジニア向けのUMLやER図といった専門的な図から、フローチャートなどの汎用性が高い図まで、幅広い図を作成可能です。また、作成した図は自分のパソコンはもちろん、クラウド上に保存して共有することもできます。

draw.ioは個人・チーム、ビジネス・プライベートを問わず使える、汎用性が高い作図ツールです。現在の作図ツールに不満がある方は、気軽に使ってみましょう。

 

draw.ioを使ってできること4選

draw.ioは汎用性が高く、さまざまな用途に利用可能です。ここでは、draw.ioを使ってできることの代表例を4つピックアップして紹介します。

  • UMLの作成
  • フローチャートの作成
  • ER図の作成
  • ワイヤーフレームの作成

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

UMLの作成

draw.ioは、エンジニアがシステムの構造や振る舞いを表現する「UML(Unified Modeling Language)」の作成に適しています。draw.ioには、さまざまなUMLを描くためのテンプレートがあり、大半のUMLを作成可能です。

UMLの種類は多岐にわたりますが、draw.ioで作成できるUMLの代表例を下表にまとめました。

UML名概要
ユースケース図システムにおける機能や利用者の関係性を可視化する図
シーケンス図オブジェクト間のやり取りを時系列で可視化する図
クラス図システムにおけるクラスの構成や関係性を可視化する図


draw.ioを使えば、こうしたUMLに必要なオブジェクトを配置したり、複数オブジェクトをコネクタでつないだりできます。UMLを扱うエンジニアであれば、draw.ioが役立つシーンは多いでしょう。

 

フローチャートの作成

draw.ioは、処理や手続きの流れを可視化する「フローチャート」の作成にも活用できます。端子や分岐、処理といった幅広いオブジェクトがあり、オブジェクトの配置・矢印での接続のみで手軽にフローチャートを作成可能です。

フローチャートはソフトウェア設計のみならず、幅広いビジネスシーンで役立ちます。たとえば、業務改善に向けてツールを導入する際、新しい業務フローを可視化して関係者と共有することが可能です。「処理や手続きの流れを可視化したい」といったビジネスシーンでは、draw.ioでフローチャートを作成するとよいでしょう。

 

ER図の作成

draw.ioは、データベース設計に欠かせない「ER図(Entity Relationship Diagram)」の作成にも対応しています。ER図は、データ管理に用いるテーブルのデータ構成や関係性(リレーションシップ)を表現する図です。

draw.ioを使えば、「テーブルを配置→データを列挙→テーブル間をコネクタでつなぐ」といったステップで手軽にER図を作成可能です。ER図でリレーションシップを表現するためのコネクタが多数あり、テーブル間の関係性を正確に表現できます。データベースを扱う業務を担当している場合は活用してみましょう。

 

ワイヤーフレームの作成

draw.ioを使えば、Webサイトの制作に欠かせない「ワイヤーフレーム」も作成できます。ワイヤーフレームは、Webページ上の表示要素やレイアウトなどを可視化するものです。

draw.ioは使用する図形をカスタマイズでき、ボタンやアイコンといったWebページの表示要素を追加することも可能です。Webデザインに特化したツールではありませんが、簡易的なワイヤーフレームであれば無料で作成できます。費用をかけずにワイヤーフレームを作成したい方は活用してみましょう。

 

draw.ioを活用するメリット

 

draw.ioを活用するメリットは、主に次の2つです。

  • フローチャートや模式図などを無料で作成できる
  • 豊富な図形を用いて効率的に作図

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

フローチャートや模式図などを無料で作成できる

draw.ioの大きなメリットは、無料で図を作成できることです。一般的な作図ツールには、月額料金やライセンス料が発生する製品も少なくありません。draw.ioであれば、このような費用が発生せず、企業や個人がコストを気にせず気軽に使えます。

また、draw.ioで作成した図は、特段の制限なくビジネスにも利用できます。たとえば、draw.ioで作成したフローチャートを自社サービスのヘルプページに盛り込む、といった利用方法も無料で可能です。ビジネス利用に制限がないことは大きな強みといえます。

 

豊富な図形を用いて効率的に作図ができる

PowerPointといった一般的なツールで作図する場合、存在しない図形は自ら作成しなければなりません。その点、draw.ioは汎用性が高く、さまざまな用途に使える図形が用意されています。幅広い図形を使えるため余計な作業工程が減り、効率的に作図を進められるでしょう。

draw.ioでは、UMLやER図などの主要なオブジェクトが標準で利用できます。それに加えて、用途に合わせて「その他の図形」から図形を追加することが可能です。

 

一度追加した図形は画面の左側にリストアップされ、さまざまなファイルの編集時に使い回せます。そのため、新しく図形を作成する手間を省け、作業効率を大幅に向上できます。

 

draw.ioの使い方

 

draw.ioはとても簡単に使い始められます。ここでは、draw.ioの使い方を次の5ステップに分けて紹介します。

  1. draw.ioへのアクセス
  2.  ファイル名やテンプレートの設定
  3.  初期設定
  4.  図の作成
  5.  作成した図の保存

     

1. draw.ioへのアクセス

まずは、draw.ioへアクセスしましょう。初回アクセス時には、以下のような画面が表示されます。初めての場合は「新規ファイルを作成する」をクリックすればOKです。


なお前述のように、draw.ioを使い始めるうえではアカウント作成が必要ありません。ファイルの作成が完了すれば、draw.io上で作図を開始できるようになります。

 

2. ファイル名やテンプレートの設定

次に、作成した図を保存するためのファイル名や、作成したい図のテンプレートを設定します。draw.ioで作成した図は、「.drawio」という独自の拡張子を持つXMLファイルで保存するのが基本です。

今回は、ファイル名を「サンプル.drawio」、図のテンプレートを「フローチャート」とします。ファイル名やテンプレートを設定したうえで「作成する」を選択しましょう。テンプレートを使わない場合は「白紙ファイル」を選択してください。


上記の設定を行うとファイルの保存先を聞かれるため、保存したい場所を選択してください。以下のような画面が表示されれば、ファイルの作成は成功です。

 

3. 初期設定

使い始める前にdraw.ioの初期設定を行い、自分好みにカスタマイズしましょう。画面上部にあるツールバーの「拡張」から、さまざまな設定が可能です。主な設定項目を下表にまとめました。

設定項目概要
言語画面上の文言を、どの言語で表示するか設定
外観白背景(ライト)または黒背景(ダーク)を設定
テーマ画面全体のデザインやレイアウトを設定


また、特別な用途に使いたい場合は図形を追加しておくとよいでしょう。前述のように、画面左下の「その他の図形」から、用途に応じた図形を追加できます。

 

4. 図の作成

初期設定を済ませたうえで、図を作成しましょう。画面左側のツールバーから図形やコネクタなどを選択し、キャンバス上に配置するのが操作の基本です。以下のように、配置したいオブジェクトをドラッグ&ドロップするだけで簡単に配置できます。


配置したオブジェクトを移動・サイズ調整したり、オブジェクト同士をコネクタで接続したりすることも可能です。図の作成を効率化したい場合は、テンプレートを有効活用しましょう。

 

5. 作成した図の保存

作成した図を残したい場合は、自分のパソコンやクラウド上に保存しましょう。画面上部の「ファイル」から「保存」を選択、または「Ctrl + S(Cmd + S)」で保存できます。クラウドサービスに保存する場合は、各サービスへのログインが必要です。

また、「ファイル」から「形式を指定してエクスポート」を選択すれば、図を画像ファイルとして出力できます。

 

draw.ioを有効活用するためのポイント

 

draw.ioを有効活用するために、次のポイント3つを押さえておきましょう。

  • テンプレートを活用する
  • プラグインを活用する
  • ショートカットキーを覚える

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

テンプレートを活用する

draw.ioにはフローチャートやUMLなど、さまざまなテンプレートが用意されています。テンプレートを活用すれば、1からオブジェクトを配置していく必要がありません。作図の手間を減らしたい場合は、テンプレートを有効活用しましょう。

たとえば、以下の図はフローチャートのテンプレートです。オブジェクトの配置を調整したり、文言を変更したりすれば、手軽にフローチャートを作れます。

 

プラグインを活用する

draw.ioのプラグイン(拡張機能)を活用するのも効果的です。用途に合わせたプラグインを活用することで、よりdraw.ioを快適に利用できるようになります。

プラグインを活用したい場合は、画面上部の「拡張」から「プラグイン」選択し、プラグインを適用する必要があります。プラグインはdraw.ioのGitHubリポジトリから入手可能です。詳しい手順は公式サイトを参照してください。

参考までに、draw.ioで使える代表的なプラグインを下表にまとめました。

プラグイン名概要
text.js図にある全てのテキストを抽出する
number.js全ての図形に番号を付ける
replay.js図に加えた変更をリプレイする


なお、コードエディタの「Visual Studio Code」からdraw.ioを利用できるプラグイン「Draw.io Integration」もあります。こちらはVisual Studio Codeのプラグインですが、興味がある方は活用してみましょう。

 

ショートカットキーを覚える

draw.ioは多くのショートカットキーを備えています。よく使うショートカットキーを覚えることで、作業スピードのアップにつながるでしょう。代表的なショートカットキーを下表にまとめました。

WindowsMac操作内容
Ctrl + CCmd + Cコピー
Ctrl + VCmd + V貼り付け
Ctrl + XCmd + X切り取り
Ctrl + ZCmd + Z元に戻す
Ctrl + Shift + ZCmd + Shift + Zやり直す
Ctrl + SCmd + S保存
Ctrl + GCmd + Gグループ化
Ctrl + ACmd + A全選択


draw.ioのショートカットキーは多岐にわたり、上記はほんの一部です。ショートカットキーを調べたい場合は、「ヘルプ」から「キーボードショートカット」を選択して調べてみましょう。

 

まとめ

 

draw.ioとは、無料かつアカウントなしで使えるオンラインの作図ツールです。エンジニア向けのUMLやER図、デザイナー向けのワイヤーフレーム、ビジネスを問わないフローチャートなどを作成できます。

draw.ioはアカウントを作成することなく、手軽に使い始められます。「費用をかけず手軽に図を作成したい」という方は、今回の内容を参考にしてdraw.ioを使ってみてください。

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