C++学習サイトを選ぶ前に決めること
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学ぶ目的を明確にする
C++を学ぶにあたって、まず行うべきことは、学ぶ目的を明確にすることです。目的が明確でないと、学びのモチベーション低下を招いてしまうからです。
プログラミング言語として、C++を活用している代表的なシステムとしては、以下の4システムがあります。
・組み込みシステム
・ゲーム
・HPC(高性能計算システム)
・金融システム
今後、上記4つのシステムの開発または運用に携わりたい方は、C++を学習することが必要といえます。
現在のC++実力レベルを自己診断する
具体的に、C++についてどういった内容を学べばよいかは、現在のC++の実力レベルによって変わってきます。そのため、現時点でのC++の実力レベルを自己診断する必要があります。
自分のC++の実力が、下記の3つのレベルのどこにあてはまるかをチェックしましょう。なお、本記事で紹介する学習サイトは基礎レベルの方向けのサイトとなりますので、ご留意ください。
学べる時間と期間を見積もる
次に行うべきことは、学習に割くことができる時間や期間を明らかにすることです。学習時間や学習期間によって、最適な学習サイトが変ってくるためです。現在の仕事を継続しながら、無理なく学習できる時間や期間を見積もりましょう。
C++を正しく学べる学習ロードマップ

1.まずは無料でC++の基礎文法をマスターする
まずは、C++の文法の基礎をしっかりとマスターしましょう。最初は、学習をするために費用がかからない、オンラインの無料学習サイトを活用するとよいでしょう。
また、独学をするにあたっては、学習のモチベーションが低下しないことが大切です。そのため、他の学習者の進捗状況を確認できる学習サイトを活用することもよいでしょう。競争意識から学習のモチベーションアップが図れるメリットがあります。
プログラミングのスキルの向上を目指す場合には、プログラミングの能力や技術を競い合う、プログラミングコンテストに挑戦することもおすすめです。
2.オブジェクト指向を学び開発の土台を作る
C++は、C言語にオブジェクト指向プログラミングをはじめとした、さまざまな改良が施されたプログラミング言語です。
C++を使いこなすためには、その土台の考え方である、オブジェクト指向の概念を理解することが重要です。そのため、オブジェクト指向について学びを深めましょう。
具体的には、オブジェクト指向の3大要素である、「カプセル化」「継承」「多様性」について、書籍などで調べ実際にプログラミングをしてみるとよいでしょう。
3.実践的なスキルを身につける
C++の文法の基礎、およびC++を理解するために必要不可欠なオブジェクト指向の概念を理解し、C++の基礎をしっかりと固めることができた段階で、次のステップである実践的なスキルの学習を行うことがポイントです。
無料のおすすめ学習サイト
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一週間で身につくC++言語の基本
C++の学習におすすめの無料サイトの1つ目は、「一週間で身につくC++言語の基本」です。C++のプログラミングを学ぶ初心者に人気の学習サイトです。このサイトを活用すると、C++を1週間で身につけることができるといわれています。
この学習サイトを活用するにあたって、1点注意すべき点があります。この学習サイトの対象者に求められているスキルは、C++のベースとなるC言語の基礎知識が既にあることとされています。そのため、C言語の知識がない方はまずはC言語の基礎を学んでおく必要があります。
ゼロから学ぶ C++
C++の学習におすすめの無料サイトの2つ目は、「ゼロから学ぶC++」です。
この学習サイトで学ぶことによって、C++の開発環境や構文、単体テストのやり方などが一通り身につきます。
当該学習サイトの対象者の前提は、プログラミング言語を1つ以上経験したことがあること、関数やクラスおよびオブジェクト指向に対する知識があることの2点です。
そのため、プログラミング言語を全くさわったことがない方には、ハードルが高いといえるでしょう。
paiza.IO
C++の学習におすすめの無料サイトの3つ目は、「paiza.IO」です。paiza.IOは、オンライン上ですぐにC++をはじめとした、主要32プログラミング言語を動かすことができるオンライン実行環境です。また、当該オンライン実行環境では、ファイルアップロード機能や外部apiへの接続、スクレイピングなども可能となっています。
C++Shell
C++の学習におすすめの無料サイトの4つ目は、「C++Shell」です。C++Shellは、C++のプログラミングが実際にできる、オンラインでの実行環境ツールです。環境構築に多少時間がかかりますが、実際にプログラムを動かせる点がおすすめです。
リンクを開くと、はじめからヘッダーにインクルードが設置されているため、あとはプログラムを動かすために必要なコードを記述するだけで、プログラムが動かせます。
また、記述したコードに構文エラーが発生した場合には、エラー表示がなされるため効率的にプログラミングが学べるツールです。
jdoodle
C++の学習におすすめの無料サイトの5つ目は、「jdoodle」です。jdoodleは、C++をはじめとした88種類以上のプログラミング言語のコードを、記述や保存および実行ができるツールです。
コーディング機能だけに限らず、ファイル名の変更や操作、アップロードなどの機能も提供しています。
また、プログラムの共有機能も備えているため、複数のメンバーと共同して、プログラムの記述や保存および実行ができるという点が、最大のポイントです。
有料のおすすめ学習サイト
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Udemy
C++の学習におすすめの有料サイトの1つ目は、「Udemy」です。Udemyは、学習者数約682万人、コース数は約500コースを誇る大規模なオンライン学習サイトです。C++コースでは、構文やメモリ管理およびオブジェクト指向プログラミングといった学習メニューが用意されています。
各コースでは、30日間の返金保証付きとなっています。なお、C++を学べるコースはいくつか用意されています。受講料は最高でも約3万円となっており、比較的リーズナブルな価格設定になっています。
LabEx
C++の学習におすすめの有料サイトの2つ目は、「LabEx」です。LabExでは、C++コースは体系的に構成されており、高性能で強力なC++言語を習得するためのロードマップが提供されています。
C++コースのカリキュラムでは、基本的な構文やメモリ管理およびオブジェクト指向プログラミング、標準テンプレートライブラリ(STL)が含まれています。
インタラクティブなC++プレイグラウンドで、実践的なコーディング演習を完了することにより、効率的に堅牢なプログラムを作成するスキルが身につきます。
価格は、年払いとなっており日本円にすると約1万5380円となります(1ドル=154円で計算)。
C++学習サイトで特に学ぶべき事項
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STL
C++の学習サイトで特に学ぶべき事項の1つ目は、「STL」です。STLとは、Standard Template Library(標準テンプレートライブラリ)の略です。つまり、
C++言語の標準ライブラリの一部です。
データ構造、アルゴリズム、イテレーターなど、汎用的なプログラミングツールを提供しています。STLの使用により、再利用可能なコードの作成が効率的に実現するといったメリットがあります。
ポインタ
C++の学習サイトで特に学ぶべき事項の2つ目は、「ポインタ」です。ポインタとは、変数のアドレスを記憶する変数のことです。アドレスとはメモリ上に与えられた番号のことです。変数を宣言すると、その変数にアドレスすなわちメモリ上の番号が与えられます。メモリ上の番号の演算やアドレス先の値を取得する際に使用します。
ひとつのポインタ変数で、配列のすべての要素の値を取得したり、変更することが可能であるため、配列の要素を一つ一つ扱う手間が省けて、プログラミングの生産性が上がるといった理由により、ポインタはよく使われています。
RAII
C++の学習サイトで特に学ぶべき事項の3つ目は、「RAll」です。RAIIとは、プログラミングにおける手法の一つであり、メモリの取得と解放をオブジェクトの初期化と破棄に結び付けることで、メモリの確実な解放を保証します。
万が一、不要となったメモリが解放されずにいると、メモリが不足してしまうという問題が発生してしまいます。そのため、特にC++では重要となっている手法です。
例外処理
C++の学習サイトで特に学ぶべき事項の4つ目は、「例外処理」です。例外処理とは、プログラム実行中にエラーが発生した場合に、後続の処理を中止してエラー発生時用の処理を行うための機能です。
例外処理が上手く機能していない場合、プログラムが異常終了をしてしまい、エラー原因がわからなくなるといったデメリットが発生してしまう恐れがあります。
スマートポインタ
C++の学習サイトで特に学ぶべき事項の5つ目は、「スマートポインタ」です。スマートポインタとは、従来のポインタよりも使いやすくしたポインタのことです。具体的には、「所有権」を基にメモリを自動解放してくれる機能を持つポインタです。
所有権とは、特定のリソース(通常は動的に割り当てられたメモリ)をどのオブジェクトが所有しているかを明確にする概念です。スマートポインタは所有権を管理し、対象のリソースを保有するオブジェクトがなくなれば、自動的にリソースを解放してくれます。
C++17/20の基本概念
C++の学習サイトで特に学ぶべき事項の6つ目は、「C++17/20の基本概念」です。C++17、20とはC++のバージョンを表しています。C++17とは、2017年12月に改訂され、ISO/IEC 14882:2017で標準規格化されたC++バージョンの通称を指します。C++20とは、2020年中に改訂され、ISO/IEC 14882:2020で標準規格化されたC++バージョンの通称を表しています。
そのため、たとえばC++17をC++20にバージョンアップしてしまった場合には、バージョンの違いによってプログラムの挙動が変ってしまうといったこともありえます。
よって、C++17および20のバージョンの基本概念、および変更点についてはしっかりと抑えておく必要があります。
まとめ
本記事では、C++の初心者がC++を独学で学ぶ際には、学習サイトを活用すると学びやすいことを紹介してきました。
特に、「STL」「ポインタ」「RAll」「例外処理」「スマートポインタ」「C++17/20の基本概念」を学習することが重要ということが分かったかと思います。
C++を学ぶことで、転職活動でも有利となるかもしれません。C++を独学で学ぼうと考えられている方は、ぜひ本記事を参考に学んでみてはいかがでしょうか。











