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C++とJavaどっちを学ぶべき?7つの違いと主役になる開発分野

C++とJavaは、いずれも長年にわたり現場で使われ続けている代表的なプログラミング言語です。ルーツが近く見た目が似ていることから、「どのような違いがあるのか把握できない」という方もいるでしょう。

 

この記事では、両言語の特徴や違いを丁寧に比較します。どちらの言語を学ぶべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。

更新日: 2025/12/12
カテゴリ:

C++とJavaって何が違うの?全体像をサクッと理解

C++とJavaって何が違うの?全体像をサクッと理解

C++はC言語を拡張したプログラミング言語

C++は、C言語にオブジェクト指向の概念を取り入れた言語として1985年に登場しました。

 

最大の特徴は、手続き型プログラミングとオブジェクト指向プログラミングの両方を実現している点です。C言語と同様のコードスタイルも使えるほか、複雑なプログラムをより整理しやすくするオブジェクト指向の設計もできます。

 

一方で、柔軟性が高い分、文法は複雑で、コードの可読性や保守性に注意が必要です。初心者にとっては取っつきにくさもありますが、根本的なプログラミングの仕組みを理解するには適した言語でもあります。

 

JavaはC言語をベースに開発されたプログラミング言語

Javaは、1995年にサン・マイクロシステムズ(現オラクル社)が開発したプログラミング言語です。

 

書いたプログラムをWindowsやMac、Linuxでも同じように動かせることが、Javaの大きな特徴です。

 

Webアプリケーションや業務システム、モバイルアプリなどの分野だけでなく、企業システムの中核としても活躍する汎用性の高さが魅力です。プログラムの安全性や再利用性を重視した構造になっているため、大規模開発やチーム開発において力を発揮します。

 

C++とJavaが似ているといわれる理由

ルーツが同じC言語だから

 

C++とJavaが似ているといわれる最大の理由は、どちらもC言語がベースの言語であるためです。厳密には、Cをベースに生み出されたのがC++で、C++の影響を受けて作られたのがJavaです。

 

類似している部分は、構文に表れています。例えば、変数宣言の形式、if文やfor文といった制御構文の書き方、セミコロンで文を区切るルールなど、基本的な文法構造が非常によく似ています。

 

ただし、構文が似ているからといって、言語の使い方や設計思想が同じわけではありません。表面的には似ているものの、奥にある仕組みや考え方はまったく異なるという点は意識しておく必要があります。

 

C++とJavaの違い【項目別比較】

 

C++

Java

思想

コンパイラ言語で、ハードウェアの性能を最大限に発揮する開発が得意

中間言語で実行環境に依存せず開発を進められる

処理速度

ネイティブコードに直接コンパイルする、無駄な処理が少ない仕様のため、処理速度が速い

C++よりは遅いものの、コンパイルやガベージコレクションの改善により処理速度は上がり続けている

メモリ管理

手動で行う必要がある

自動的に行われる

ポインタ

あり

なし

自由度と安全性

自由度が高く細かな要件に対応できる

自由度は低いものの保守・運用の観点から安全性が高い

将来性

テクノロジー領域で伸びている

基幹システムで今後も求められ続ける

年収

約350万円~700万円が相場

約300万円~650万円が相場

1.思想:ハードウェアを操るC++ vs 仮想マシン上のJava

C++はコンピュータのハードウェアに直接近い位置で動作する「ネイティブコード(機械語)」を生成するコンパイラ型言語です。システムリソースを細かく制御できるため、ハードウェアの性能を最大限に引き出す設計を得意としており、高速処理やメモリ制御が重要な分野に適しています。

 

一方、Javaは書いたコードを中間言語(バイトコード)に変換し、「JVM(Java Virtual Machine)」という仮想マシン上で動作させる構造です。バイトコードに変換したあとは、どのOSでも動作します。実行環境に依存しないため、安定して開発を進められるのがJavaの強みです。

 

2.処理速度:最速を追求するC++、進化するJava

処理速度の面では、C++が依然として優位です。ネイティブコードに直接コンパイルする仕様で、無駄な処理が少ないためです。

 

JavaはJVM上で動作するという特性上、C++よりも処理に一段階の中継が入ります。そのため、過去には「Javaは遅い」といわれることもありました。しかし近年では、JIT(Just-In-Time)コンパイルやガベージコレクションの改善により、処理速度は大きく向上しています。

 

3.メモリ管理:手動のC++ vs 自動のJava

メモリ管理において、C++とJavaは大きく異なります。C++では、開発者がメモリの確保(new)や解放(delete)を手動で行う必要があります。手動で管理する分、メモリリークや二重解放といったエラーが起こりやすいのはデメリットですが、高度な最適化やパフォーマンス調整が可能になります。

 

一方、Javaではガベージコレクションという仕組みにより、使われなくなったメモリを自動的に回収します。メモリ管理の負担を減らし、コードの安全性や保守性を高めています。自動化されている分、プログラムの挙動が読みやすいため、エラーが起こりにくい点もJavaの魅力といえます。

 

4.ポインタ:C++最大の壁

C++では「ポインタ」という仕組みを使って、メモリのアドレスを直接操作できます。これはC言語から受け継がれた特徴で、柔軟で強力な機能であるものの、ミスをすると深刻なバグを引き起こす原因にもなります。また、コードが複雑になりやすく、学習コストも高くなる点に留意する必要があります。

 

対して、Javaではポインタの概念が表に出てきません。すべてのオブジェクトは「参照型」として扱われ、アドレスを明示的に操作することは不可能です。とはいえ、ポインタ操作がない分、安全で理解しやすい開発を実現しやすいのも、C++にはない利点といえます。

 

5.自由度と安全性:プロに委ねるC++、エラーを防ぐJava

C++は言語としての自由度が高く、プログラマの裁量によって細かな実装が可能です。ハードウェアとの密接なやり取りや、独自の最適化手法を取り入れたい場合などに強みを発揮します。

 

しかし、自由である分、ミスをすれば深刻な不具合に繋がるリスクも否めません。自由度が高い分、C++はプロ仕様な言語であるといえます。

 

反対にJavaは、自由度をある程度制限することで、安全性や再現性を確保しています。自由度が低い点は、決してネガティブな要素ではありません。エラーを防ぎやすい仕様であり、多くのエンジニアから人気を博しています。Javaのエラーが少ないことも、保守性や運用コストの面でも大きなメリットになります。

 

6. 将来性:需要が伸びるC++ vs 不動のJava

C++もJavaも長年にわたって使われ続けてきた実績があり、将来性は高いといえます。

 

C++は、AIや自動運転、ロボティクスやIoT、ブロックチェーンなどの次世代テクノロジーの中核を担う場面で需要が高まっています。テクノロジーの最前線で進化を続けており、今後も特定の領域で地位を確立するでしょう。

 

一方、Javaは大規模な業務システムや金融機関、官公庁のシステムなど、堅牢性や保守性が求められる現場で使われ続けています。また、Androidアプリ開発やWebバックエンドでも根強いシェアを維持しています。基幹システムを支える言語であり、将来性・需要の高さは揺るぎません。

 

7.年収:平均年収はほぼ同等

C++とJavaのエンジニア年収は、大きな差はありません。企業規模や職種、働き方によって前後しますが、いずれもIT業界のなかでは比較的高い水準を維持しています。

 

具体的には、C++エンジニアの年収は約350万円~700万円、Javaエンジニアは約300万円~650万円が相場とされています。経験やスキル、業界によっては800万円以上も狙える分野です。

 

また、フリーランスに転向した場合は、単価がさらに高くなる傾向があります。C++は専門性の高い案件が多く、月単価70万円以上の求人も少なくありません。Javaも企業システムの保守・改修など安定した案件が豊富で、長期契約が取りやすいという利点があります。

 

C++が主役になる開発分野

C++が主役になる開発分野

【組み込み】自動車や家電を動かすハードウェア制御

C++は、組み込み開発分野で長年にわたって主力のプログラミング言語として使われています。

 

家電製品や自動車、医療機器や産業用ロボットなど、限られたリソース内で確実に動作させる必要がある組み込みシステムの開発に適しています。リアルタイム性や電力消費、メモリ管理など細かいチューニングも可能です。

 

【ゲーム開発】リアルタイム処理が求められる現場

ゲーム開発の現場では、C++の高速な処理能力と柔軟な設計力が重宝されています。

 

代表的なゲームエンジンである「Unreal Engine」などもC++ベースで構築されており、ゲーム業界で本格的な開発に携わりたい方にとって、C++は避けて通れないスキルとなっています。

 

Javaが主役になる開発分野

Javaが主役になる開発分野

【大規模業務システム】金融機関など堅牢性が求められる現場

Javaは、大規模で信頼性の高い業務システムの構築に適した言語として、特に、銀行や保険会社、官公庁といった堅牢性・保守性が強く求められる分野で選ばれています。

 

豊富なライブラリとフレームワークにより、開発・保守運用がしやすく、エンタープライズ向けシステムでは、現在もJavaが第一線で使われ続けています。

 

【Androidアプリ】Google公式の開発言語

Javaは、Androidアプリ開発における公式言語の一つとして、長年採用されてきました。

 

Googleが提供するAndroid SDK(ソフトウェア開発キット)は、Javaベースで構成されています。業務系や大手企業のAndroidアプリ開発では、Javaが使われるケースが多いです。

 

C++とJavaを学ぶことが向いている人

C++が向いている人

・システムやハードウェアの仕組みに興味がある人

・ゲームやロボットの開発に携わりたい人

・細部までこだわったコードを書きたい人

Javaが向いている人

・チームでの開発や大規模システムに関心がある人

・安定した就業先を探している人

・Androidアプリ開発やWebバックエンドに興味がある人

 

C++を習得することが向いている人の特徴

C++は汎用性の高い言語ですが、特に下記のような志向や特性を持つ人に向いています。

 

  • システムやハードウェアの仕組みに興味がある人
  • ゲームやロボットの開発に携わりたい人
  • 細部までこだわったコードを書きたい人

 

C++は難易度が高いといわれるものの、その分、深い理解と応用力が身につく言語です。「本格的なエンジニアスキルを身につけたい」という意思がある方にとって、C++は非常に価値のある選択肢になります。

 

Javaを習得することが向いている人の特徴

Javaは幅広い開発現場で使われており、次のようなタイプの人に特に向いています。

 

  • チームでの開発や大規模システムに関心がある人
  • 安定した就業先を探している人
  • Androidアプリ開発やWebバックエンドに興味がある人

 

Javaは文法が整っていて学習コストが比較的低く、初心者からでも取り組みやすい言語です。大手企業をはじめとした安定した企業もJavaのスキルを持つ人材を求めています。そのため、Javaはキャリアの入口としても最適で、実用的な技術を早く身につけたい人にとって、大きなメリットがあります。

 

まとめ

C++はハードウェア制御やゲーム開発など、高速処理と柔軟な設計が求められる分野に強く、深い技術理解を追求したい方に向いています。一方、Javaは大規模開発や業務システム、Androidアプリなど幅広く使われ、安定したキャリアを築きたい方に最適です。

 

C++とJavaは将来性が高い言語であり、どちらか片方が劣っているといったことはありません。主役になる開発分野が異なるだけであり、自分が携わりたい分野にあわせて、C++とJavaのどちらが合っているのかを選ぶとよいでしょう。

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