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Pythonの将来性は高い?AIなど分野別に検証し今後の求人需要も予測!

Pythonは初心者にも取り組みやすく人気のプログラミング言語ですが、今後学習を始めるうえで、将来性や求人倍率が気になる人も多いのではないでしょうか?

 

この記事ではPythonの将来性と需要について考察していきます。AIやWeb開発といった分野別の最新の技術動向を紹介し、他言語との比較やPythonの抱える課題も検証しつつ、エンジニア市場での求人需要の見通しについてもお伝えします。

更新日: 2025/11/27
カテゴリ:

Pythonの将来性と需要

Pythonの将来性と需要

 

AIなどの分野で需要が高く将来性がある

Pythonの将来性は高いといえます。プログラミング言語では世界No.1といっていい支持率と人気を保っており、AIやデータサイエンスといった発展著しい先端分野で広く利用されていることから、今後の需要も高いと見込まれます。

 

言語ランキングで継続的な人気と評価を得ている

世界の主要なプログラミング言語ランキングにおけるPythonの最新の順位は以下の通りです。

 

どのサイトにおいても1位になっており、TIOBEとIEEEでは3年連続、Geeks For Geeksでは2年連続で1位をキープしています。Pythonの高い人気と評価がうかがえます。

 

Pythonの将来性が高い理由

Pythonの将来性が高い理由

 

AI・機械学習分野で高い需要がある

先ほどのランキングで紹介した米国のIT関連オンラインプラットフォーム「Geeks For Geeks」によると、「Python の人気と需要は、主に人工知能とデータサイエンスの分野で増加し続けている」ということです。

 

日本でも2023年から2028年にかけての生成AI市場は年平均成長率(CAGR)が84%と予測されており、今後も需要の増加が見込まれるでしょう。

 

出典:日本HP Tech&Device TV「【2025年予測】生成AI日本市場規模と成長分野|技術・業界動向を徹底解説」より

 

シンプルで汎用的な言語の性質

Pythonは汎用的で、AIやデータサイエンスだけでなく、WebアプリやIoTといった幅広い分野でもシェア拡大する可能性を秘めています。文法がシンプルでメンテナンスも容易であり、グルー言語として他言語とも共存し存在感を増していくでしょう。

 

ライブラリとエコシステムの充実

Pythonのライブラリは多彩で、開発の効率と品質を高めています。ライブラリは機能改善も加えられ、日々進化し続けています。さらに世界中で活発な開発者コミュニティを持ち、エコシステムが充実しています。今後もPythonを取り巻く環境は拡大し続けることが予想されます

 

Pythonの各分野における将来性の分析

Pythonの各分野における将来性の分析

 

AI・機械学習

機械学習から一歩進み、人間の手を介さずデータから自動的に特徴を抽出するディープラーニングといわれる技術が成熟期を迎え、様々なナレッジが共有され発展していくことが予想されます

 

また、機械学習に必要なデータセットを提供するライブラリも増え、効率的にAI開発ができるようになるでしょう。

PyTorch

代表的なディープラーニングのライブラリ

TensorFlow

代表的なディープラーニングのライブラリ

Keras

ディープラーニングをより簡単に使えるライブラリ

Huggingface Transformers

専門知識がなくても効率的にAIが利用できるプラットフォーム

LangChain

機械学習アプリ開発を効率的に行うことができるライブラリ

LLamaIndex

独自のChatbotなどを効率的に作ることができるライブラリ

 

データサイエンス

データ分析の定番であるPandas、NumPyといった強力なライブラリに加え、さらに高性能なPolarsなど新興ライブラリも機能が拡充されていく見込みです。分析結果をグラフや図で可視化できるJupyter NotebookやStreamlitといった環境も活用されていくでしょう。

 

企業が持つビッグデータを収集、分析するBIツールとの融合が進んでいき、特に金融や製造業ではPythonが非エンジニアにも浸透していくことが予想されます。

Pandas

2次元の表形式データを容易に解析できるライブラリ

NumPy

行列や配列の操作が得意な数値計算ライブラリ

Jupyter Notebook

ブラウザ上でPythonコードを実行できるアプリ

Streamlit

Webアプリを簡単に作成・共有できるライブラリ

 

Webアプリケーション開発

Flaskというシンプルで拡張性が高いフレームワークが主流でしたが、近年、高性能で大規模環境にも対応したFastAPIというフレームワークが急成長しています。FlaskからFastAPIへの移行トレンドはしばらく継続するでしょう

 

バックエンド開発においては、PythonからSQLデータベースへのアクセスをより便利にするSQLModelライブラリも普及していくと見込まれます。

Flask

軽量でシンプルなWebフレームワーク

FastAPI

非同期処理に対応し、高パフォーマンスを実現するWebフレームワーク

SQLModel

PythonからSQLデータベースを操作するライブラリ

 

業務効率化・自動化

Python + Excel(openpyxl、pandas)によるデータ処理自動化がますます普及していくほか、定型的なパソコン作業を自動化できるRPAという技術領域において、Python+Selenium+OCRを組み合わせるなどの活用も拡大していくと予想されます。また、より開発しやすいノーコードの領域でもPythonとの連携が進んでいき、非エンジニアにも浸透していくでしょう。

openpyxl

PythonからExcelファイルを操作する定番ライブラリ

Selenium

ブラウザ操作を自動化するライブラリ

 

ブロックチェーン・Web3開発

ブロックチェーンやWeb3といった次世代技術はまだ発展途上ですが、Pythonはその実装言語として普及の大きなカギを握っています。

 

スマートコントラクトの開発や、NFTの生成においてもPythonは活用されていくでしょう。イーサリアムやSolanaなど、主要なブロックチェーンプラットフォームの周辺開発言語として定着されることも期待できます。

Web3.py

ブロックチェーンと簡単にやり取りできるライブラリ

Vyper

Pythonライクなスマートコントラクト開発ツール

 

Pythonの課題と対応

Pythonの課題と対応

 

実行速度の遅さ

課題

Pythonはインタプリタ型言語であり、JavaやCなどに比べ実行速度が遅い

対応

PyPyやCythonといった高速化ツールの普及

Pythonの最大の弱点といえる速度の遅さを克服するために、代替えインタープリタであるPyPyや、一部の関数を静的型付きCコードに変換して速度を向上させるCython / Numbaといったツールの改良が重ねられています。

 

モバイルアプリとの親和性

課題

PythonはAndroidやiOS向けネイティブアプリ開発には向かない

対応

KivyやBeeWareなどのクロスプラットフォーム開発フレームワークが登場

選択する人が少ないだけで、決してPythonを使ったモバイルアプリ開発ができないわけではありません。KivyやBeeWareなどクロスプラットフォーム開発のフレームワークも登場し、開発の手引きも紹介されつつあります。しかし、現時点ではkotlinやSwiftに比べ遥かにマイナーで、採用が進んでいるとはいえない状況です。

 

動的型付けに起因するバグ

課題

Pythonは動的型付け言語であり、コードの大規模化に伴って型に起因するバグが発生しやすい

対応

型ヒントの導入と型チェックツールの普及

2015年にリリースされたPythonのバージョン3.5から型ヒントが導入されました。また、mypyなどの静的型チェックツールもよく使われるようになってきています。型の柔軟性というPythonの特長も活かしつつ、プロジェクトに応じて任意で静的型チェックを導入するという棲み分けが進み、今後も定着すると思われます。

 

Pythonとライバル言語の比較

Pythonとライバル言語の比較

 

Ruby

コードの記述がシンプルなインタープリタ型言語で汎用性が高いという、Pythonと同様の特徴を持つRubyは、Webアプリの世界でよく使われています。しかし、それ以外においてはそこまでポピュラーではありません。将来的にもAIやデータサイエンスといった分野におけるPythonの優位が揺るぐことはないといえます

 

Julia

数値解析や線形代数に特化した高速言語であるJuliaは、Pythonより科学計算に最適化されているとして、科学者やエンジニアから支持を集め需要が高まっています。将来的に、科学技術計算の領域においてPythonを脅かす可能性があるでしょう。

 

Go

Goはシンプルで高速な静的型付き言語で、Pythonよりも高性能なバックエンド処理ができます。マイクロサービスやクラウド分野ではPythonより優位に立っていますが、難易度の高いサービスに特化して使われているケースが多いことと、、求人市場でそこまで流行しておらず学習のための参考情報が少ないことで、すぐにPythonほど普及するとは考えにくい状況です。

 

GoとPythonの比較については、以下の記事で特集していますのでご覧ください。

 

関連記事

・Go言語とPythonの違いを6項目で徹底比較!おすすめの選び方も解説

 

TypeScript

JavaScriptに型システムを加えたモダン言語であるTypeScriptはPythonよりも堅牢な型安全性を持ち、Web開発分野のフロントエンドで人気が急上昇しています。Pythonはバックエンドで使われることが多いので、フロントエンド=TypeScript、バックエンド=Pythonでお互いの強みを生かして共存共栄の道を辿る一方、どちらかでフルスタック開発という選択肢も増える可能性があります。

 

求人市場におけるPythonエンジニアの需要

求人市場におけるPythonエンジニアの需要

 

求人倍率の動向

レバテック株式会社が半年毎に発表しているスキル・職種別の「ITエンジニア・クリエイター正社員転職/フリーランス市場動向」の数値を元に、Pythonエンジニアの求人倍率の動向をみていきましょう。

 

2024年12月の調査によるとPythonの求人倍率は8.7倍と高水準で、売り手市場であることが伺えます。しかし遡ってみると、2022年12月は14.6倍、2021年12月は53.1倍でした。当時が異常に高いともいえますが、数年前に比べると需要は落ち着いており、同調査ではRuby(16.0倍)、JavaのtoBシステム開発(9.0倍)、C言語(9.0倍)といったスキルより倍率は低くなっています。

 

出典: ITエンジニア・クリエイター スキル・職種別求人倍率

 

Python人気とエンジニア需要のギャップ

世界的なPythonの人気や期待に対し、日本の求人市場でのPythonエンジニアの需要には若干のギャップがあるのは確かです。もちろん日本でも一定の需要はあるので、職に困るといったことはありませんが、有名企業で開発言語にPythonを採用しているところは意外と少ないという印象です

 

PythonによるAI開発の案件が数年前にブームになりましたが、プロジェクトを終了した企業も多く現在は落ち着いています。AIエンジニアはプログラミング技術だけでなく数学や統計学の高度な知識が要求されるため、ハードルが高いのも現状です。

 

今後の需要見通し

今後AIやデータサイエンスの分野を中心にPythonの需要が高まることが予想されますが、だからといって日本のITエンジニア求人市場での需要が比例して高まるとは断言できません。Pythonは非エンジニア層へも浸透しやすく、企業や研究機関に所属する研究員や学者が自らPythonを身につけてAIやデータサイエンスを活用するケースも多いからです。

 

とはいえ、グローバルなIT求人市場では需要が好調に継続することが見込まれ、日本でも一定の需要は継続すると予想されます需要の拡大は、より多くの企業、多くの分野でPythonの利用が進むかどうかがカギになるでしょう。

 

まとめ

AIやデータサイエンスといった先端分野を牽引するプログラミング言語であるPythonの将来性は高く、需要も堅調に推移すると予想されます。ただしPythonの課題はすべて解決されたわけではなく、より処理が高速なライバル言語も進化しています。

 

日本におけるPythonエンジニアの求人倍率は高水準ですが、数年前のブームは過ぎ去った感があります。Pythonエンジニアはライブラリやエコシステムの進化に取り残されないよう、最新のスキルを身につけておくべきでしょう。

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