Pythonとは

汎用性の高いプログラミング言語

Pythonは1991年に誕生したオープンソースのプログラミング言語です。プログラムの要素をオブジェクト（もの）として捉えるオブジェクト指向であり、かつコンパイル不要でソースコードを即時に実行できるインタープリタ型の言語です。

Pythonは汎用性が高く、システム構築やデータ分析など幅広い分野に用いられます。また、文法がシンプルで、誰が書いてもコードが明快で読みやすいというのも特長です。

AIやデータサイエンスが開発できる

主にPythonが活用される代表的な分野を3つあげておきましょう。

• AI、データサイエンス

• 処理の自動化

• Webアプリ開発

とりわけ最先端といえるAI・データサイエンスで注目を浴びており、Pythonはこの分野において最も使われている言語となっています。

また、データの収集や業務アプリの操作など様々なタスクの自動化も得意としています。Pythonでできる自動化については、以下の記事で詳細に紹介していますので、ご一読ください。

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未経験でもPythonエンジニアを目指せる？

未経験でもPythonエンジニアを目指せる

未経験でもPythonエンジニアを目指すことは十分に可能です。正社員として就職、転職する以外に、副業、フリーランスで活躍するという選択肢もあります。

ただし当然のことながら、経験者に比べればPython未経験者が案件を得られるハードルは高いといえます。実務経験の差を埋めるべく、しっかりスキルを身につける必要があるでしょう。

未経験者がPythonを学ぶメリット

文法がシンプルで学習が継続しやすい

Pythonは文法が他の言語に比べてシンプルで、見た目も読みやすいことが特長であり、初心者でも継続して学習しやすいというメリットがあります。

ただし、文法的に扱いやすいイコールどんな処理も簡単に動かせる、ということにはなりません。大規模開発やAIのような専門領域ではそれなりに難易度はあがります。

活用の幅が広い

Pythonの汎用性の高さと活用の幅の広さも、未経験者が学ぶ言語として適している理由の一つです。Pythonを学んでおくことでWebエンジニアからAIエンジニアまで様々な分野のキャリア形成に役立てられるでしょう。

また、専門的なシステムの開発以外でも、Webからの情報収集やExcel連携など身近な仕事の効率化にも活かせるので、学んでおいて損はありません。

ライブラリや学習教材が豊富

プログラミング言語には、よく利用される機能をまとめて再利用可能にしたライブラリと呼ばれるツールがあります。世界的に人気が高いPythonには、各用途に応じたライブラリが豊富に用意されており、開発の負担減と品質向上に貢献しています。

学習教材の豊富さもPythonのメリットの一つで、日本語の書籍やWebサイトも多いため初心者にとって取り掛かりやすい言語です。

Python未経験者にとって効率的な学習ステップは？

学習のための準備

学習目的と将来像の意識

Pythonに限らずプログラミング言語全般にいえることですが、学ぶ目的を持たずに何となく始めてしまうと、途中で挫折する確率が高くなります。「副業で月5万円稼げるようになりたい」など、なるべく具体的な将来像を意識した目標を設定するとモチベーションも学習効率もあがります。「会社の面倒なExcel業務を自動化したい」などPythonで作りたいこと、やりたいことを目標にするのもよいでしょう。

環境準備（パソコンなど）

Pythonは学習環境が充実しているとはいえ、スマホで動画を見るだけでは不充分で、実際にコードを書き、プログラムを実行するためのパソコンが必要になります。パソコンのOSはWindows、Mac、Linuxどれでもかまいません。また、集中して勉強できる部屋や時間の確保も大切です。

プログラミング基本用語の理解（プログラミング未経験者）

プログラミング自体が初めてという人は、Python学習サイトを見たときに「引数」や「代入」といった用語が分からず戸惑うことがあります。まず、プログラミング全般において使われる基本用語や演算子を調べて理解しておきましょう。「ゼロから始める～」などプログラミングの基本から教えてくれる教材を利用するのも手です。

実践に向けた学習ロードマップ

未経験者がPythonの実務レベルへ到達するまでの学習ロードマップとして、ここでは「基礎スキル習得→ライブラリ習得→成果物作成」の3ステップで進めていく方法を紹介します。

基礎スキル習得（必須）

まずはPythonの基礎学習からです。学習サイトや動画、書籍などでPythonの基本概念や、文法、構文を理解します。大切なポイントは、ただインプットするだけでなく自分でコードを書き、実行してみることです。学習サイトにある練習問題も積極的に解いていきましょう。

ライブラリの習得（目的別に異なる）

基礎スキルが身に付いたら、自分がPythonでやりたい分野、作りたい成果物を定め、それぞれに特化したライブラリをインポートして使ってみましょう。

各分野別の代表的なライブラリをまとめてみました。

どれも有名なライブラリなので、インターネットで検索すると日本語で使い方が解説されたサイトやチュートリアル動画が複数出てくるはずです。何を習得すべきか決めかねているという人には、まず身近なExcelで活用しやすいPandasやOpenPyXLをオススメします。

実践：成果物の作成

ライブラリの学習が終わったら、いよいよ成果としてオリジナルのプログラムを作成してみましょう。成果物をアウトプットすることで、自分のスキルのアピールにもなりますし、今まで習得してきたスキルの定着にもつながります。

事務作業に従事している人であれば、自分の仕事のデータで実践してみるのもオススメです。たとえばPandas+Matplotlibライブラリを使って定型的なデータ取得+レポート作成作業を自動化すれば、Pythonのスキルアップと業務効率化が実現できて一石二鳥です。

未経験からの学習は独学とスクールどちらがよい？

独学で充分学ぶことが可能

Pythonは学習サイトや動画が充実しているため、独学でも充分習得することが可能です。独学のメリットとしては、自分のペース、時間で学習を進められるため、仕事や学校と両立しやすい点と、スクールと比べてコストを遥かに安く抑えられる点があります。

スクールはキャリア支援の観点でオススメ

授業料を払ってプログラミングスクールに通うメリットとして、つまずいた時にサポートしてくれる点や、モチベーションを維持できる点などがありますが、最も大きいのは就職相談やキャリア支援のサービスを受けられることでしょう。必ず職に就ける保証はありませんが、確率をあげることはできます。

Python未経験者にオススメの学習サイト5選

ドットインストール

3分に収められた短い講義動画でPythonの基礎を学べるサイトです。一編が短いので隙間時間にもスマホから手軽に視聴できます。有料プランではブラウザにコードを打ち込みながら学習できる機能を使えるほか、現役エンジニアに質問もできます。

Paiza

Paizaも3分前後の短い動画でPythonを学習できるサイトです。環境構築が不要で、動画のガイダンスに沿ってブラウザにコードを打ち込みながら学ぶことができます。問題が豊富に用意されている点や、基礎編に加えてデータ分析やDjango入門などの応用コンテンツも充実している点が特長です。

Progate

Progateは、スライドの解説を見たあとブラウザ内でコードを入力して演習問題を解いていくスタイルでPythonの学習を進めていくサイトです。イラストが多いスライドは初心者にもとても分かりやすく、基本から丁寧に解説されているので、プログラミング未経験者にもオススメです。

Udemy

世界最大級のオンライン学習プラットフォームであるUdemyは、質の高い講師陣によるPython講座が初心者向けから上級者向けまで豊富に用意されており、成果物が作成できる実践的なコースもあります。講師に直接質問できるほか、コース毎に買い切りなので何度でも見直すことが可能です。

PyQ

PyQはPythonに特化した学習サイトです。読む、書く、動かすという流れをブラウザ内で完結して進めていくことができます。文法の基礎からDjangoやスクレイピングといった中級者向けまで豊富なコースが用意されており、実践的な演習でスキルをつけることができます。

未経験からPythonエンジニアへ転職する難易度は？

他言語での開発経験しかない場合は中～高

他言語しか開発経験がない場合の転職難易度はやや高めといえます。世間でのPython人気に対し、エンジニアの求人はJavaなどに比べるとそれほど多くありません。AIやデータサイエンス系は高年収ですが難易度が高いです。Webサービス系の求人では、PHPやRubyの開発経験がアピールできれば有利に働くでしょう。Pythonエンジニア認定試験など資格をとってみるのもよいかもしれません。

開発経験自体がない場合は高

開発経験自体がない場合の転職難易度はかなり高めです。企業の採用基準は厳格化しており、未経験者といっても何らかの開発経験を求められる傾向があります。そのため、就業支援を受けられるスクールやエージェントの活用も考慮しましょう。Pythonにこだわらず、SES企業のポテンシャル採用枠を狙ったり、未経験でも開発案件に携われる会社に入るのも一計です。

Python未経験でも副業できる？

未経験者でも副業は可能

Python未経験者でも副業は充分可能です。Pythonの副業案件は多岐に渡り、単発案件などフルタイム以外の条件もあり、リモートワーク可能なものも多いです。未経験者にとって転職よりもハードルが低いといえるでしょう。

Python未経験者が案件を獲得する方法

副業で簡単な案件を狙う

未経験者が案件を獲得するためには、クラウドソーシングを活用し、Webスクレイピング、業務自動化、データ分析など、単発で簡単な案件から始めるのがオススメです。

代表的なクラウドソーシングサイト

• Lancers

• クラウドワークス

• エンジニアデータバンク

簡単な案件の例

【依頼】ECサイトをスクレイピングし、商品ページから在庫状況を取得するプログラムをPythonコードで納品してほしい

【報酬】固定報酬制：30,000～50,000円

【経験・スキル】Python, BeautifulSoup, Selenium

※引用：クラウドワークス2025年8月19日付けの案件一覧より抜粋

Python未経験からフリーランスへの道筋

まずは副業で実績を積む

未経験者がいきなりフリーランスのPythonエンジニアとして独立し生計を立てるのは困難なので、まずは副業で経験と実績を積みましょう。

単発の簡単な案件をこなしつつPythonの応用学習を継続し、扱えるライブラリ・フレームワークを拡大していきます。スクール講師など、稼ぎながら学べる案件もあります。

案件の拡大からフリーランスへ独立

実務経験が2～3年を超えると、求人や案件の選択肢が増えていきます。フリーランスエージェントへ登録し、Webアプリ開発など高単価で継続できる案件の獲得ができれば、フリーランスのエンジニアとして独立も可能でしょう。

また、フリーランスの場合は個人営業、人脈も重要な案件獲得経路です。過去の顧客と継続的に良い関係を築いて仕事に繋げることで、収入アップが期待できます。

まとめ

PythonはAIやデータサイエンスといった専門的で難解な分野をリードする存在でありつつ、文法がシンプルで初心者の入門にも適している言語という、二面性を持っています。未経験者でも努力次第でエンジニアになれる可能性があるので、目標を立てて学習への一歩を踏み出してみてください。

汎用的な言語であるPythonは将来性も高く、需要も継続が見込まれます。たとえエンジニアを目指さなくても学習する価値は充分あるといえるでしょう。Pythonの将来性や需要については以下の記事に詳しくまとめていますので、あわせてお読みください。

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