そもそもTypeScriptとは？

インターフェイスが利用でき、型安全性が保障されている言語

TypeScriptは、Microsoft社が2012年に開発した比較的新しい言語です。

そもそもTypeScriptはJavaScriptをもとに作られています。JavaScriptは柔軟性が高い一方で、型を意識せずに書けるため、思わぬバグが発生しやすいという課題を抱えていました。一方で、TypeScriptはインターフェースを活用することで実装漏れを防止できます。同時にデータ型の矛盾が発生しにくく、型の不整合によるエラーも減らせます。JavaScriptと互換性があるため、フロントエンド・バックエンド問わず様々な開発現場で使われている言語です。

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TypeScriptの資格が注目されている理由

自分自身のスキルセットとして有効だから

資格を取得すると、TypeScriptを体系的に理解できるだけでなく、どのレベルまで扱えるか周りにはっきりと伝えられるようになります。自身でも、「このくらいのレベルなら今持っている知識で対応できそう」と、新規案件が出てきたときに手を上げやすくなるはずです。

TypeScript自体が大規模開発において欠かせない言語になってきているので、大型案件へ挑戦できる自信にもつながるでしょう。

エンジニア市場で勝ち抜く力になるから

多くの企業がTypeScriptを採用する中、TypeScriptのスキルを持つエンジニアの需要は高まっています。資格を持つことで、競争の激しいエンジニア市場で自身の市場価値を高め、他の候補者と差別化を図れます。

TypeScriptの資格一覧

※1米ドル＝143円で計算

W3Schools TypeScript Certificate

アメリカの技術オンラインスクール「W3Schools」が提供している資格です。TypeScriptの基礎構文や追加機能に関する内容が網羅されており、JavaScript中級レベルであれば簡単に進められます。合格ラインは75％、試験は多肢選択式で、60～70問前後出題。制限時間は60分なので、1問あたり1分前後で解き進めます。

制限時間60分で回答しきらないといけないため、1問あたり1分前後しかかけられません。ただ、比較的簡単な内容なので、英語力さえあれば難なく取得できるでしょう。W3Schoolsのサイト内に学習の進め方に関するガイドラインやTypeScriptに関するクイズもあるので、参考書がなくても学習を進められる点も特徴の一つです。受験料は1万円ほどですが、不合格の場合でも3回まで再受験ができます。

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・TypeScript Certificate

TypeScript技術認定試験

2025年8月から一般社団法人 ITエンジニア育成検定協会が始めた新しい資格です。基本文法からデータ型、関数、オブジェクト、制御構造といった基本的な内容から応用文法まで網羅しています。パソコン一つでいつでも受験できるCBT方式を採用しているので、独学である程度勉強した後に力試しとして受験することがおすすめです。

試験のレベルは先ほど紹介したW3Schools TypeScript Certificateとほぼ同等ですが、日本語で受験できる点が大きなメリット。制限時間60分に対し出題数が35問、1問あたり1分半～2分前後かけられるので、比較的考えながら解答できます。費用も7,800円と、他の資格と比べて安く受験できます。

CIW JavaScript Specialist

アメリカのCIW（Certified Internet Webprofessional）が提供する、JavaScriptの専門知識を証明する国際資格です。CIW JavaScript SpecialistはJavaScriptに関する資格ですが、TypeScriptも網羅しており、両方の言語のプロフェッショナルを目指せます。

ただ、比較的難しい内容を英語で勉強して受験しなければいけません。非常に高度な英語力が必要なので、取得まで時間を要する可能性があります。海外案件も獲得して、グローバルに活躍したいエンジニアは一度挑戦してみてはいかがでしょうか？制限時間は90分で問題数が55問、1問あたり1分半かけられます。費用は2万円台です。

TypeScriptの資格を選ぶコツ

経験レベルに合わせて選ぶ

資格の難易度がバラバラなので、実務経験の有無やTypeScriptの知識量に応じて資格を選ぶことをおすすめします。

TypeScriptの実務経験が少ない、JavaScriptは扱えるがTypeScriptの経験がない場合は、W3Schools TypeScript CertificateやTypeScript技術認定試験のような入門的な資格から始めるのが賢明です。一方ですでに実務経験があり、より高度な知識を証明したい場合は、CIW JavaScript Specialistのような難易度の高い資格に挑戦するのが良いでしょう。

英語力を活かせるかどうかから選ぶ

紹介した3つの資格のうち、英語を使う資格が2つあります。グローバルなキャリアを目指すなら、W3Schools TypeScript CertificateやCIW JavaScript Specialistのように英語での試験が主流な資格に挑戦するのも一つの手。知識の習得だけでなく、英語でのドキュメント読解力も求められるため、実践的なスキルも身につけられます。

ただし、この2つの資格は難易度に大きな差があります。経験レベルも鑑みてどちらの資格を取るか検討しましょう。

TypeScript資格取得で得られる3つのメリット

スキルを客観的に証明できる

1つ目のメリットはスキルの客観的な証明になることです。仮に「TypeScriptの経験が5年あります」とアピールしても、その5年間でどの程度のレベルの開発をしてきたか具体的に言及しないと、スキルのイメージが湧きにくいです。しかし、資格があれば、自分のスキルを誰にでも理解できる形で提示できます。同時に資格取得に向けた努力や学習意欲のアピールにもつながります。

転職の際に有利に働く

2つ目のメリットは転職の際に有利に働くことです。TypeScriptは多くの開発現場で用いられるようになっており、転職市場でのニーズはどんどん伸びています。エンジニアの転職市場では関わっていたプロジェクトでの貢献度や実績が重視される傾向にありますが、他のエンジニアから抜きんでるためには資格を取得して損はありません。

TypeScriptの資格を持っていることで、書類選考の通過率が上がる、もしくは面接で有利になることもあります。転職だけでなく、フリーランスとして案件を探す際にも有利に働く場合もあるでしょう。

年収アップにつながる

3つ目のメリットは年収アップにつながることです。資格を取得したことで資格手当がもらえて収入が増えるだけではありません。

TypeScriptのスキルを持つことで専門性をアピールでき、企業との年収交渉において有利に働く可能性があります。また、レベルの高い案件に参画できるようになり、企業からの評価が上がって収入が増えるパターンも想定できます。資格取得が最終的に年収アップのきっかけになる可能性があるといえるでしょう。

TypeScriptの資格取得後のキャリアパス

スペシャリストを目指す

1つ目はスペシャリストを目指すパターンです。TypeScriptは、フロントエンド開発において非常に重要な役割を担います。資格取得で得た知識を深め、TypeScriptのスペシャリストとして、高度なアプリケーション開発に携わる道があります。TypeScriptに限らず、Vue.js・React・AngularJSなど幅広い開発環境や言語を扱えるようになれば、フロントエンドエンジニアとしてスペシャリストを目指せるでしょう。

フルスタックエンジニアを目指す

2つ目はフルスタックエンジニアを目指すパターンです。TypeScriptはフロントエンドだけでなくバックエンドでも扱う言語なので、フルスタックエンジニアを目指すなら必須の言語の一つ。バックエンドやインフラなど、幅広い技術を習得してフルスタックエンジニアを目指す第一歩になります。マルチプレイヤーとして動けるエンジニアは企業からも重宝される時代が来ているので、時代の流れにも即した動きと言えます。

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PL・PMを目指す

3つ目はプロジェクトマネージャー（PM）・プロジェクトリーダー（PL）を目指すパターンです。TypeScriptの深い知識は、PM・PLとして、技術的な判断を下す際に役立ちます。技術的なスキルだけでなく、プロジェクト全体を管理する役割にキャリアアップすることも可能です。TypeScriptの資格だけでなく、ITアーキテクトのようなプロジェクト進行についても学べる資格を取得して、技術・進捗管理両方で活躍できる人材を目指すこともおすすめです。

PMの仕事や年収についてより知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。

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UI・UX分野へ進出する

4つ目はユーザーインターフェース（UI）・ユーザーエクスペリエンス（UX）分野へ進出するパターンです。UIエンジニアは、主にフォントのサイズや書体、ボタンの配置、アイコンや画像配置といったアプリケーションの見た目を設計します。UXエンジニアはデザイン全般やサイトの回避性、導線といった使いやすさを追求します。

TypeScriptのスキルは、UIやUX両方の改善に応用できる言語です。よりユーザーフレンドリーなWebアプリケーションを開発するために、デザインの知識も深めていく道も考えられます。

まとめ

TypeScriptは、JavaScriptより安全で大規模な開発に適した言語として開発されました。資格取得は、自分のスキルを客観的に証明し、転職やキャリアアップに大きなメリットをもたらします。どのような資格を選ぶかは、あなたの現在のスキルや目標によって変わります。この記事で紹介した資格を参考に、あなたにぴったりの資格を見つけて、次のキャリアの一歩を踏み出してみましょう！