VBAとマクロについて
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VBAとマクロの関係性
VBAとマクロは、ExcelをはじめとしたOffice製品で作業効率を高めるために欠かせない存在です。
VBAはマクロを作成・拡張するためのプログラミング言語です。単純な操作記録だけでは実現できない条件分岐や繰り返し処理したり、ほかのアプリケーションとの連携を可能にしたりします。
マクロは一連の操作を自動化する仕組みを指し、ユーザーが記録した作業手順をそのまま再現します。例えば、毎回同じ形式でデータを加工したり、定型のレポートを作成したりする場合に有効です。Excelの「マクロの記録」を使えば、プログラミングの知識がなくても簡単に作れます。
VBAとマクロの違い
大きな違いは、VBAはOffice製品を制御するプログラム言語であるのに対して、マクロはExcelの操作を自動化する機能という点です。マクロを作成する手段の一つがVBAであり、VBAでプログラミングした処理を、マクロという形で保存できます。
VBAとマクロは補完関係にあり、マクロの基盤をVBAが支えていると理解すると整理しやすくなります。
VBAを学習する難易度
ほかのプログラミング言語よりも習得しやすい
VBAは専門的なプログラミング知識がなくても学びやすく、学習難易度は数あるプログラミング言語のなかでも低いといえます。
理由は、Excelをはじめとした身近なアプリケーション上で動作する言語のためです。新しい環境を構築する必要がなく、普段の業務画面で試しながら学べることから、ほかの言語よりも敷居は低くなっています。また、コードの動作を1行ずつ確認できるため、何が原因でエラーが起きたのかを特定しやすいことも、VBAが学びやすいといわれる理由の一つです。
さらに、VBAの文法は比較的シンプルで、PythonやJavaのように高度な知識を必要としません。条件分岐や繰り返し処理といった基本的な構文を覚えれば、すぐに役立つプログラムを作れます。
VBAを勉強するメリット
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カスタマイズ次第でデータ処理や単純作業を自動化できる
VBAの大きな魅力は、日常的に発生する単純作業や大量データの処理を自動化できることです。
例えば、数千行に及ぶデータの整理や、毎月作成する定型レポートの更新は、本来なら数時間かかる作業です。しかし、VBAを活用すれば、処理を数分以内に終えられます。
Excel関数だけでは難しい複雑な条件分岐や繰り返し処理も実装できるため、業務に合わせた高度なカスタマイズも可能です。人の手ではミスが起こりやすい作業も、自動化することで精度を保ちながら効率を上げられます。
Microsoft Officeを導入している企業が多く汎用性が高い
多くの企業が業務の基盤としてMicrosoft Officeを導入しているため、VBAのスキルは職場でそのまま活かせます。特にExcelは経理や営業、総務などの幅広い部署で利用するため、VBAを扱える人材は作業効率化の担い手として重宝されるでしょう。
また、転職や異動の場面でもアピールポイントになります。専門的なプログラミングスキルがなくても、業務に直結する自動化スキルを持っていることで、周囲との差別化を図れる可能性が高まります。さらに、WordやOutlookなどExcel以外のOfficeアプリでも応用できるため、VBAの活用範囲は非常に広いです。
VBAを学習する際のポイント
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Excelの基礎知識やVBAの概要を押さえる
VBAを学ぶうえで最初に重要なのは、Excelの基本操作やVBAの仕組みを理解することです。セルの扱い方や数式の基礎、シート構成といった基盤知識があると、コードの動きをイメージしやすくなります。
ただし、最初からすべてを覚える必要はありません。難しそうな部分や理解しづらい概念に出会ったときは、一旦飛ばしても、あとから十分に学び直せます。まずは、セルに値を入力したりくり返し処理を実行したりするといった、シンプルなコードに触れることで、少しずつ理解が積み上がります。
効率化したいこと明確にする
学習を始めるときは、「どの作業を効率化したいか」を具体的に定めることが大切です。目的を持たずに学ぶと、途中でモチベーションを失いやすくなります。
例えば「毎月の売上データを自動集計したい」「複数のCSVファイルをまとめて処理したい」といった課題を起点にすれば、必要な知識が自然と絞り込めます。その結果、学習が実務に直結し、達成感を得ながら継続できるのです。
効率化したいことを明確にすると、学ぶべき内容に優先順位をつけられ、余計な遠回りを避けてスムーズにスキルを身につけられます。
日々の業務で活用できるマクロを組んでみる
VBAはプログラミング言語である以上、座学だけでは習得が進みません。実際にコードを書いて試すことで、理解しやすくなります。おすすめなのは、自分の業務に役立つマクロを作ってみることです。
最初は「ボタンを押すとシートをコピーする」といった簡単な内容で構いません。失敗してもくり返し修正できるため、試行錯誤するなかで自然と構文や関数の知識が身につきます。
日常業務で作成したマクロは、完成すればそのまま自分やチームで活用できます。実践を通じて学ぶことで、知識と成果を同時に得られるのが大きな魅力です。
誰かが作成したマクロから概念を学ぶ
独学だけで進めるよりも、他人が作ったマクロに触れることで学びの幅を広げることが可能です。インターネット上には、業務効率化やデータ処理に役立つサンプルコードを多数公開しています。
自分では思いつかない発想や実装方法に触れることで、概念的な理解が深まり、コードの書き方の選択肢も増えます。また、参考例を少しアレンジするだけで、自分の業務に応用できるケースも少なくありません。
学習に詰まったときはインターネットや生成AIを活用する
VBAは利用者が多く、インターネットで検索をかければさまざまな情報が見つかります。学習中にエラーや疑問が出たときも、検索すれば同じ課題に直面した人の解決例が見つかることがほとんどです。
また、近年では、Chat GPTをはじめとした生成AIにつまづいた箇所を問いかけることで、課題を解決できます。簡単なコードであれば、要件を伝えることで生成できる場合がほとんどです。
インターネットや生成AIを活用すれば、わからないまま停滞する状態を避けられるため、積極的に取り入れることがおすすめです。
実際に仕事を受注してみる
基礎が身についたら、クラウドソーシングなどでVBA案件を受注してみるのも有効です。実際の仕事では、自分が想定していなかったニーズや処理方法に出会えるため、新しい知識やスキルを効率よく吸収できます。
納期や要件に沿ってVBAを構築する経験は、自己学習だけでは得られない成長の機会になります。報酬を得ながら学べるため、モチベーションを維持しやすくなるでしょう。
VBAを学習するときにおすすめの方法
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書籍を読む
VBAを体系的に学習したい方は、書籍を読むことから始めてみましょう。ブログ記事や動画は断片的な知識を得るとき便利ですが、VBAをゼロから順序立てて理解する際には書籍を使うほうが効率的です。
書籍は解説が丁寧で誤情報も少なく、初心者でも安心して学べます。読書する方法なら通勤時間などの隙間時間に学習しやすく、モチベーション維持にも繋がります。
おすすめの書籍
同じVBAの内容であっても書籍によって説明方法が異なるため、書籍で学ぶ際は2~3冊ほど活用すると理解度が増します。
学習サイトを利用する
VBAを効率的に学びたい場合は、学習サイトを利用することも有効です。サイトは検索性が高く、疑問点をすぐに調べられるのが大きな利点です。多くのサイトでは、コード例やサンプルファイルが公開されており、実際に動かしながら理解を深められます。
また、書籍に比べて更新が早いため、最新のバージョンや活用事例に触れやすいのもメリットです。短時間でポイントを確認したいときや、業務で直面した具体的な課題を解決したいときに特に役立ちます。
おすすめの学習サイト
いずれのサイトも無料で利用できるため、手軽に学習したい方は、上記のサイトからチェックしてみましょう。
動画コンテンツを視聴する
VBAを視覚的に学びたい方は、動画コンテンツが効果的です。画面上で実際の操作手順やコード入力の様子を見られるため、書籍やテキストだけでは理解しづらい部分を直感的に学べます。
「どこをクリックするのか」「どのようにコードを入力するのか」を具体的に学べるため、VBAを理解するスピードが早まります。倍速再生を活用すれば、学習効率を高めやすいといった部分も、動画コンテンツを活用するメリットの一つです。
おすすめの動画コンテンツ
動画コンテンツの場合、実際の画面を見ながら作業ができるため、実務へすぐに活かせるマクロを組みやすい点が魅力です。
VBAのスキルを証明できる資格
VBAエキスパートはマクロ・VBAのスキルを証明する唯一の資格
VBAエキスパートは、ExcelやAccessにおけるマクロ・VBAの知識と実務能力を測る唯一の公式資格です。各試験の概要は次のとおりです。
資格を取得することで、転職や社内評価のときにスキルを明確にアピールできます。エンジニアだけでなく、事務職や営業職など、活用できる職種は多岐にわたります。
まとめ
VBAは、Office製品を使った業務効率化を図る際に欠かせないプログラミング言語です。学習難易度が低く、エンジニアとして活躍している方はもちろん、事務作業や経理作業をしている方も習得しやすくなっています。
VBAを学ぶ際は、概念を押さえながら効率化したいことを明確にすることが大切です。まずは、書籍や学習サイト、動画コンテンツを活用し、自分に合ったスタイルでVBAについて学んでいきましょう。











