PHPの環境構築をする方法
.png)
IDEを利用する
PHPの開発環境を効率的に整える方法として、IDEを利用することが挙げられます。IDE(Integrated Development Environment)とは、総合開発環境と呼ばれ、アプリケーション開発に必要なツールが一つにまとまったソフトです。
IDEはエディタ機能だけでなく、デバッグや補完やバージョン管理との連携といった機能が一つにまとまっているため、開発効率を高めやすいことが特徴です。
IDEを使ってPHPの開発環境を構築するときの手順は次のとおりです。
- PHPをインストールする
- IDEをインストールする
- Webサーバーソフトをインストールする
IDEを利用する方法は、WindowsやMacといったOSに依存せず利用できるIDEも多く、開発環境の構築に迷いにくいといった点がメリットです。
おすすめのIDE
本格的な開発を行う場合は、PhpStormが機能的でおすすめです。無料かつ手軽に始めたいならVisual Studio CodeやNetBeansが適しています。自分のスキルレベルや開発目的に応じてIDEを選ぶと、作業効率を高められるでしょう。
パッケージソフトファイルを利用する
PHPの環境構築を簡単に行いたい場合、パッケージソフトファイルを利用する方法も有効です。
パッケージソフトファイルとは、ApacheやMySQLなどの必要なソフトウェアをひとまとめにして提供しているツールのことです。代表例としてXAMPPやMAMPが挙げられます。
これらを導入すると、個別にソフトをインストールしたり設定ファイルを調整したりする必要がなく、少ない工数でPHPの環境を整えられます。
詳しい内容は、「【Windows版】手軽にPHP環境構築する手順」と「【Mac版】手軽にPHP環境構築する手順」で解説します。
仮想環境を利用する
PHPの環境構築をする方法として、仮想環境を利用するやり方もあります。代表的な仮想空間はDockerです。
Dockerは、プログラミング言語やデータベースの実行環境を構築できる仮想空間です。WindowsやMacといったホスト環境に依存せず、同じ設定のPHP環境を再現できることが強みです。
Dockerを導入する手順は次のとおりです。
- 自身のパソコンのバージョンを確認する
- Dockerをインストールする
- 必要なコードを実行する
Dockerを利用する方法は、チーム開発や本番環境を意識した開発には非常に有効で、再現性の高さが大きなメリットとなります。
【Windows版】手軽にPHP環境構築する手順
STEP1:XAMPPをインストールする
まずは、公式サイトにアクセスし、Windows版のXAMPPをインストールします。実行するとセットアップ画面が表示され、インストールするコンポーネントを選択できます。通常はデフォルト設定のままで問題ありませんが、不要な機能があればチェックを外すと軽量化することが可能です。
次にインストール先を指定します。特別な理由がない限りパスは「C:\xampp」が推奨です。ここに各ソフトが展開され、セットアップが完了すると、XAMPP Control Panelが利用できます。
STEP2:XAMPPでサーバーを起動する
インストールが完了したら、次はXAMPP Control Panelを利用してサーバーを起動します。ここでは主にApacheとMySQLを操作します。
Control Panelを開くと、各サービスの一覧が表示されます。Apacheの「Start」ボタンをクリックすると、ローカルでWebサーバーが起動します。同時にMySQLも必要であれば起動しておくと、データベースを利用した開発も可能です。
正常に起動すると、ステータスが緑色で「Running」と表示されます。Apacheが起動しない場合、80番ポートを別のソフトが使用しているケースが多く、ポート設定を変更することが必要です。
STEP3:正常に動作しているのかをブラウザで確認する
サーバーを起動したら、動作しているかを確認する必要があります。方法は簡単で、ブラウザを開き、アドレスバーに「http://localhost/」と入力するだけです。
正しく設定されていれば、XAMPPのウェルカムページが表示されます。ページが表示されない場合は、Apacheが正しく起動していないか、ファイアウォールが通信をブロックしている可能性があります。Control Panelでステータスを再確認し、必要に応じて設定を調整しましょう。
STEP4:ドキュメントルートを確認してPHPファイルを設置する
次に行うのは、PHPファイルを置く場所を確認することです。XAMPPでは、htdocsというフォルダがドキュメントルートとして設定されており、配置したファイルがブラウザからアクセス可能になります。
インストール先がデフォルトなら「C:\xampp\htdocs」が該当フォルダです。ここに「test.php」といったPHPファイルを新規作成して保存すると、ブラウザで呼び出せます。
例えば、<?php echo "Hello PHP"; ?> と記述したファイルを保存し、「http://localhost/test.php」にアクセスすると、その出力結果が表示されます。
STEP5:ブラウザ上でPHPファイルが表示するかを確認する
最後のステップは、作成したPHPファイルがブラウザで正しく表示されるかを確認することです。htdocsに保存したファイルへブラウザでアクセスします。
例えば、「test.php」に <?php phpinfo(); ?> と記述しておくと、PHPのバージョンや拡張モジュールの一覧が表示されます。これが確認できれば、PHPが正常に動作している証拠です。
エラーメッセージが表示される場合は、ファイル名や保存場所が誤っていないかを確認しましょう。
【Mac版】手軽にPHP環境構築する手順
STEP1:MAMPをインストールする
MacでPHP環境を構築する最初のステップは、MAMPをインストールすることです。
公式サイトからMAMPのインストーラーをダウンロードし、ダブルクリックで起動します。画面に沿って進めると、自動的に「/Applications/MAMP」にインストールできます。
インストール後は「MAMP」というフォルダがアプリケーション内に作成され、ここからサーバーの起動や設定を行うことが基本です。初期状態では、ApacheとMySQLが利用できるようになっており、すぐに動作確認を始められます。
STEP2:MAMPでサーバーを起動する
インストールが終わったら、MAMPアプリケーションを起動します。画面中央にある「Start」ボタンをクリックすると、ApacheとMySQLが立ち上がります。ステータスランプが緑に変われば正常に稼働している状態です。
サーバーが起動すると自動的にブラウザが開き、MAMPのスタートページが表示されます。ここにはphpMyAdminや設定情報へのリンクがまとめられており、以降の開発作業に便利です。
Apacheが起動しない場合は、Macの他のサービスが80番ポートや443番ポートを利用している可能性があります。その際はMAMPの設定画面からポート番号を変更することで解決できます。
STEP3:正常に動作しているのかをブラウザで確認する
サーバーを起動したら、ブラウザを使って動作確認をします。SafariやChromeを開き、アドレスバーに「http://localhost:8888/」と入力してください。
初期設定では、MAMPが8888番ポートを利用しているため、このアドレスでアクセスできます。MAMPのトップページが表示されれば、Apacheが正常に稼働している証拠です。
ページが表示されないときは、MAMPの環境設定を開き、Webサーバーのポート番号を確認すると解決に繋がるでしょう。
STEP4:ドキュメントルートを確認してPHPファイルを設置する
MAMPでは「/Applications/MAMP/htdocs」がドキュメントルートに設定されており、このフォルダ内にファイルを保存するとブラウザからアクセス可能になります。
例えば「htdocs」内に「test.php」というファイルを作成し、<?php echo "Hello MAMP"; ?> と記述して保存します。
その後、ブラウザで「http://localhost:8888/test.php」にアクセスすると、画面に「Hello MAMP」と表示されます。
STEP5:ブラウザ上でPHPファイルが表示するかを確認する
最後に、先ほど配置した「test.php」を呼び出し、結果が意図したように出力されるかをチェックします。
「 <?php phpinfo(); ?>」 を記述して保存すれば、PHPのバージョンや有効化したモジュールが一覧で表示されます。これらを確認すれば、PHP環境が正しく稼働しているかを把握できます。
エラーが出る場合は、保存場所やファイル名が正しいかを確認しましょう。また、ファイルの文字コードがUTF-8以外だと日本語が文字化けするケースがあるため注意が必要です。
PHPの環境構築をする際に知っておくべきこと
.png)
ほかのプログラミング言語よりも脆弱性が指摘されている
PHPは世界的に利用者が多い反面、過去にはセキュリティ上の脆弱性が指摘されてきました。特に古いバージョンを使い続けると、既知の脆弱性を突かれるリスクが高まります。
そのため、環境構築時には常に最新のバージョンをインストールすることが重要です。公式からセキュリティアップデートが提供されるタイミングで早めに対応すると、セキュリティ対策になります。
環境構築をする方法によっては知識が身につかない恐れがある
XAMPPやMAMPといったパッケージソフトを使う際、数クリックでPHP環境を整えられます。便利である一方、内部の仕組みに触れずに構築できるため、サーバー設定やバージョン管理といった知識が身につきにくいことがデメリットです。
学習目的であれば、パッケージ利用から始めつつ、慣れてきたら手動でインストールしたりDockerを活用したりするなど、段階的に知識を広げることが望ましいでしょう。
パッケージソフトファイルの場合は最新バージョンでないことがある
パッケージソフトの場合、同梱されているPHPが必ずしも最新バージョンとは限りません。インストールする時期によっては、旧式のバージョンが組み込まれているケースもあります。
古いバージョンのままでは、開発中に挙動が異なる原因となる可能性がゼロではありません。必要に応じてアップデートし、常に最新の動作環境を保つことが大切です。
まとめ
PHPの環境構築をする方法はさまざまであり、自身の環境に適したやり方を採用することが重要です。特におすすめの方法は、パッケージソフトファイルを利用する方法です。
WindowsであればXAMPP、MacならMAMPを使うと手軽かつ短時間でPHPを利用できる環境を整えられます。
その他、注意点を踏まえて環境を構築すれば、安全性を高めつつPHPの開発を進められるでしょう。











