PHPに将来性はある？
将来性や需要は高いがオワコンといった声もあり
PHPはWeb開発の分野で長年使われている言語であり、現在も数多くのサービスやシステムを構築する際に活用されています。Webサイトや業務システムなどで使用するケースが多く、依然として需要は高い状況です。
一方で、「PHPは時代遅れではないか」「新しい技術に比べて魅力が薄れている」といった声も存在します。PythonやJavaScriptなどの人気言語に注目が集まるなかで、相対的に評価が下がる場面があることも事実です。
エンジニアとして今後も活躍したい方は、PHPの将来性を多角的に評価しながら自身のキャリアパスを描くことが欠かせません。
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PHPエンジニアの将来性が高い理由7つ
PHPを使ったWebサイトやシステムが多いため
PHPは世界中のWeb開発で広く利用されています。PHPを使用するWebサイトやシステムの代表例は次のとおりです。
- WordPress
- Wikipedia
- ココナラ
- EC-CUBE
- Slack など
なかでも、WordPressはPHPで開発されたCMSの代表例です。その基盤となる言語がPHPであり、需要・将来性の高さがうかがえます。ほかにも、PHPは会員制サイトや業務システムなどの幅広い分野で採用されています。
サーバーサイドプログラミング言語でトップシェアを占めているため
W3Techsによると、サーバーサイド言語のシェア率は2025年8月時点で次のとおりです。
世界中のWebサイトの70％以上がPHPで動いており、PHPのシェア率はPythonやRubyなどを大きく上回っています。既存のシステムが残る限り、PHPの需要は安定して続くでしょう。
PHPエンジニア向けの求人が多く存在するため
求人市場を見ると、PHPエンジニア向けの求人数は多い状況が続いています。PHPは、Webサービスやシステム開発で広く使われており、求人そのものがゼロになる可能性は低いでしょう。
しかし、PHPエンジニアに対して求めるレベルは年々高まっている状況です。そのため、単にコーディングや詳細設計しかできない人材は厳しい立場に置かれています。2022年以降、SES業界では案件が減少し、ローコードやノーコードへの代替も進んでいるため、実務経験が浅いエンジニアほど競争が激しくなっています。
さらに、Web系の受託開発企業では採用基準も厳格化しており、内定率は2～3％程度に留まるケースも少なくありません。
つまり、PHPエンジニア全体として需要は存在しますが、市場が求めるレベルに届かない場合は仕事が見つかりにくいことを知っておきましょう。
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OSに制限がなくさまざまな環境で開発できるため
PHPはWindowsやLinux、MacOSと主要なOSに対応しており、開発環境を選ばず利用できる汎用性が魅力です。Windowsならメモ帳、LinuxならVi、MacOSならテキストエディタを通じて簡単にPHPでコーディングできます。
また、ApacheやNginxといった代表的なWebサーバーとも相性がよく、クラウド環境でも安定稼働するため、幅広いシステムに適用します。
柔軟性が高く多様な開発に向いているため、今後も需要が極端に減ることはないでしょう。
言語機能が強化して実用性が高まっているため
PHPは「古い言語」というイメージを持たれやすいものの、実際には進化を続けています。2020年にリリースされたPHP8では型システムの導入やエラーハンドリングの強化、セキュリティ改善など実務に直結するアップデートが行われました。
これによりPHPは、大規模システムや高負荷なWebサービスにも十分対応できる言語へと変化しています。進化を止めない姿勢が評価され、PHPは今も現場で競争力を維持し続けています。そのため、決して過去の言語で使えないといったことはありません。
ほかの言語でも応用できる知識が多いため
PHPを学ぶことで得られる知識は、ほかのプログラミング言語にも横展開することが可能です。例えば、変数の宣言や配列操作、条件分岐やループ処理といった基本的な文法は、JavaやPythonなどでも共通して用いられます。
そのため、PHPの経験があれば新しい言語へ移行する際もスムーズで、キャリアの幅を広げやすいという利点があります。初学者にとってはプログラミングの基礎を身につけやすい入口となり、経験者にとっては技術スタック拡大の土台として活かせます。
年収レンジが安定しておりライフプランを立てやすいため
PHPエンジニアは年収面でも安定しており、経験を積み上流工程を任される立場になれば年収600万～800万円を目指せます。フリーランスでも月単価80万円前後の案件が存在するため、働き方に応じた収入設計が立てやすい点が魅力です。
ただし、詳細設計以降の単純な作業は生成AIに代替されやすいため、リスクを見据えてインフラ設計やマネジメント経験を積むことが重要です。リードエンジニア候補を募集する企業は多く、スキルが高いPHPエンジニアの需要は今後も高まるでしょう。
PHPエンジニアがオワコンと思われる原因6つ
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スマートフォン向けアプリやAIなどの開発には向いていないため
PHPはWeb開発に強みを持つ言語ですが、スマートフォン向けアプリやAI分野では活用しにくい特徴があります。PHPはこれらの分野に対応するライブラリが限られているため、新技術を求める企業やエンジニアからは選ばれにくいのが現状です。
モバイルアプリ開発では、ネイティブアプリに特化したフレームワークが充実したSwiftやKotlinが選ばれやすい傾向にあります。AIや機械学習では、豊富なライブラリや実績を背景に持つPythonが地位を確立しています。
ほかの言語のシェア率が高まっているため
PHPはサーバーサイドで大きなシェアを持ちますが、他言語の存在感が年々高まっています。実際に、2020年から2025年までのPHPのシェア率は次のように推移しています。
直近5年間で、PHPのシェア率は5％以上も下がっています。企業によっては、モダンなフレームワークを持つ言語を選ぶケースも増えており、PHPの立場が相対的に弱まっています。
大規模な開発には適していないため
PHPは中小規模のWebサービスやサイトに適しているものの、大規模な開発にはあまり適していません。
理由は、PHPがインタプリタ型言語であり、大規模な開発になると実行速度が遅くなりやすいためです。また、PHPは自由度が高いことから、設計ルールが曖昧な状態では大人数で開発する際に品質にばらつきが出やすくなります。
特に、大規模な基幹システムや金融・官公庁の開発でPHPを使用するケースは限定的です。PHPを利用した大規模な開発が少ないことから、将来性を危惧する声もあります。
新たなプロトコルへ十分に対応できないケースがあるため
PHPは新しい通信規格やプロトコルに対応しきれないケースがあります。例えば、リアルタイム性を必要とするWebSocket通信や、非同期処理が前提となるシステムではNode.jsのほうが高い適性を持ちます。
また、マイクロサービスやイベント駆動型のアーキテクチャなど新しい開発スタイルに対応するには、PHP単体では不十分で、別の技術を併用する必要があります。この背景から、PHPは次世代のシステム基盤を求める企業で、時代遅れといった評価を受けやすくなっています。
PHPエンジニアが飽和していると囁かれているため
PHPエンジニアは、2022年末ごろから飽和しているといわれています。
景気がよいスタートアップやベンチャーが減少し、PHPをメインに使う新規開発案件が減ったことで需要が下がったためです。さらに、PHPはエンジニア人口が多く、案件数とのバランスが偏りやすい点も影響しています。
特に、詳細設計以降の作業しかできないプログラマークラスのPHPエンジニアは、人材が飽和する状態で仕事が減るでしょう。上流工程の経験を積み、付加価値を高めることが重要です。
習得したいエンジニアの割合が低いため
近年、PHPを学びたいと考えるエンジニアは減少傾向にあります。HackerRankが発表した2020年のデータにおいて、「次に学びたいプログラミング言語ランキング」を見ると、PHPは22位という結果でした。
割合が低い背景は、AIやデータ分析、モバイルアプリなど、成長が著しい分野にPHPが直接結びつかないためと考えられます。見方によっては、「新しく学ぶ魅力が少ない言語」といった評価になることもあります。
PHPエンジニアとして将来活躍できる人・できない人の特徴
PHPエンジニアとして活躍できる人の特徴
- 最新情報をキャッチアップできる人
- コミュニケーションを円滑にとれる人
- ビジネス視点で考えられる人
PHPエンジニアを求める企業では、最新情報を実務に活かしつつ、コミュニケーションを円滑にとりながらチームのなかで横断的に活躍できる人材が活躍します。
また「どうすればユーザーへより価値提供できるか」「事業拡大・業務効率に繋がるか」というビジネス視点で物事を考えられる人も活躍しやすいでしょう。これらの特徴を持つエンジニアは市場価値が高く、さまざまな分野で力を発揮できます。
PHPエンジニアとして活躍できない人の特徴
- 古い技術に固執する人
- 受け身の姿勢で仕事をする人
- セキュリティや品質への意識が低い人
プログラマーレベルで技術力が止まっている人は、将来的に活躍し続けることが難しいといえます。詳細設計以降のコーディングしかできない人は、生成AIの影響を受けて仕事が減る可能性がゼロではありません。
自分で考えながら主体的に動き、付加価値を提供できなければ、エンジニアとして淘汰されていくでしょう。
PHPエンジニア経験者におすすめの転職先
メガベンチャーのような動きや多言語対応している企業がベスト
キッカケエージェントがPHPエンジニアの方に転職先を紹介する際、HPテック企業やtoCサービス立ち上げに強みを持つ受託開発企業などをおすすめしています。
HPテック企業やtoCサービス立ち上げに強みを持つ受託開発企業では、業務でTypeScriptやRuby on Railsなどをメインに取り扱っていますが、PHP経験者の採用枠を広げている傾向にあります。上流工程に携わっていた経験を持つエンジニアであれば、数か月でリーダー職につくケースも見られます。
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まとめ
PHPには「需要が高い」という声がある一方で、「オワコン」「時代遅れ」という意見も一部存在します。捉え方によって異なるものの、サーバーサイドの言語でシェア率がトップ、かつ今後も保守・運用のニーズが高いという観点から、PHPの将来性はあるといえます。
とはいえ、生成AIの登場や人材の飽和によって、コーディングしかできないPHPエンジニアの仕事は減る可能性が否めません。将来的に活躍したいPHPエンジニアは、付加価値を提供できる人材に成長することが重要です。
