C#の将来性は高い?
将来性が高い
結論からいえば、C#の将来性は高いといえます。2025年にTIOBE Softwareが発表した「TIOBE Index」によると、C#は言語別シェア率で5位(4.69%)の人気を誇ります。2024年からシェア率が1.96%減ったものの、順位は変わらず5位である点から見ても、将来性には期待できると考えて良いでしょう。
また、無料で使えるのに加え、新バージョンがリリースされる度に表現力が増しているのも将来性に期待できる要因の1つです。
C#の将来性が高いと言われる6つの理由

Microsoft社がサポートをしている
C#はMicrosoft社が開発・サポートをしており、2000年の公開から絶えずバージョンアップをし続けています。年1回のペースで新バージョンがリリースされ、直近ですと2023年に新機能が多数追加されました。また、.NET 8の長期サポート版により、企業での安定した利用が保証されています。
このように、C#はMicrosoftの長期的な開発・サポートによって、技術的なアップデートが継続的に行われています。将来性の面では高いといえるでしょう。
幅広い開発分野に適用できる
幅広い開発分野に適用できる点も、C#の将来性を支える理由の1つです。C#はさまざまな開発分野で重宝されており、汎用性の高さは目を見張るものがあります。代表的なものは以下の通りです。
- アプリ開発
- PCソフト開発
- モバイルアプリ開発
- ゲーム開発
- 組み込み系システム
- IoTデバイス
近年はクロスプラットフォーム対応により、Windows以外のLinuxやmacOSでも動作するようになりました。多くの場面で活用されているため、今後の将来性にも期待できます。
AIやロボット分野での開発に対応している
C#は、AIやロボット分野での開発に対応している点も見逃せません。「ML.NET」というMicrosoft社製の機械学習ライブラリを活用でき、分類や回帰などの機能を簡単に実装できます。
さらにロボット開発においても、Microsoft Robotics Developer Studioでの採用実績があります。Azureとの連携により、クラウドベースのAIサービスとの統合も簡単です。IoTデバイスとの親和性も高く、将来は明るいといえるでしょう。
マルチプラットフォームに対応している
マルチプラットフォームに対応している点も、C#の将来性を高める要因の1つです。C#はWindows上での動作を前提に開発された経緯がありますが、2016年の.NET Coreリリース以降、オープンソース化により状況が大きく変わりました。現在は以下の環境でも開発が可能です。
- Windows
- Linux
- macOS
- iOS
- Android
プラットフォームの制約が少なくなったことで、より多くの場面でC#を活用できるようになっています。
ゲーム開発分野での需要が高い
C#は、ゲーム開発分野での需要が高い点も、将来性に期待できるポイントです。ゲーム開発で圧倒的なシェアを誇るUnityの標準言語として採用されているため、インディーゲームから大規模なAAAタイトルまで幅広く活用されています。
近年はモバイルゲーム市場の急成長やeスポーツの普及により、ゲーム業界全体が拡大傾向にあります。C#はゲーム開発をするなら必須の言語となっているため、今後の需要にも期待できるでしょう。
VR / ARの開発で注目されている
C#は、VRやARの分野でも将来性があるといわれています。VR・AR開発では、Meta Questなどのデバイスで、C#が開発言語として採用されています。3D空間での複雑な物理演算やリアルタイム処理に活用されやすいためです。
また、近年はビジネス用途でもVR・AR技術が利用されており、製造業や医療、不動産業界など用途が増えています。メタバース市場規模が拡大している点から見ても、C#の将来性には期待できます。
C#はやめとけと言われる4つの理由

市場での優位性がない
C#はWindowsベースのアプリケーションに強みがあるものの、市場での優位性は少ないのが現状です。
Web開発の市場拡大によって、JavaScriptやPythonといった言語と比べると、どうしても存在感が下がってしまいます。例えば、JavaScriptはブラウザで直接実行できる唯一の言語として圧倒的な優位性を誇っており、フロントエンド開発では必須です。Pythonに関しても豊富なライブラリや使いやすさによって、データサイエンス分野で一定の強みがあります。
一方のC#は、型安全性や企業向けの機能を実装する際は優秀ですが、Web開発が増えている昨今において、JavaやPythonの方が適している場面が増えています。特別C#を選ばなければいけない場面が減っているのです。
また、AWSやAzureといったクラウドサービスによって、クロスプラットフォーム対応の言語が好まれる傾向が強まっているのも要因として挙げられます。
こうした開発環境の変化によって、C#はやめておけといわれています。
C#独自の強みがない
C#独自の強みがない点も、ネガティブに評価される理由の1つです。C#は汎用性が高く、開発効率は良いものの、規模や情報が少ないという特徴があります。
AIやデータ分析に強いPythonや、エンタープライズシステムやAndroidアプリケーションに優位性があるJavaのように、C#独自の強みがありません。特定の分野で特筆した強さがないため、優位性をアピールしにくい言語となってしまっています。
開発プラットフォームに依存している
開発プラットフォームに依存している点も、C#がやめとけといわれる理由です。C#はMicrosoft社が開発・サポートをしていることもあり、WindowsOS向けに最適化されています。
オープンソース化と.NET Coreによって他OSにも対応はできますが、他のプラットフォームにおける実績や信頼性はまだ確立されていません。
近年は開発環境をクラウドに置くケースも増えているため、開発プラットフォームに依存してしまっているC#は、オススメされにくいのです。
キャリア戦略が難しい
C#は、キャリア戦略が難しい点も見逃せません。Windowsに依存しているのもあり、キャリアが狭まってしまうリスクがあります。特に、Web開発市場ではJavaScriptやPython、モバイル開発ではSwiftやKotlinといった専門性の高い言語が主流となっており、C#の立ち位置は曖昧です。
キャリアアップのために今後需要が高まる言語を習得しようと考えた場合、学習リソースや情報量の面でも、人気の言語と比べて不利な状況であるといえます。
C#エンジニアの転職市場状況

言語別の平均年収ランキング
C#を扱うフリーランスエンジニアの平均年収は、903万円です。以下の表を見てみると、最上位のGo言語が1,362万円なのに対し、C#は460万円近い差があります。KotlinやPythonといった人気の言語と比較しても、大きく年収に開きがあるのが現状です。
一方で、C#はJavaやPHPなどの広く使われている言語と比較すると、40万~70万程度とほとんど差がありません。JavaやPHPと同等レベルの待遇といっても良いでしょう。
出店:SOKUDAN Magazine ( https://magazine.sokudan.work )
転職市場の需要
C#の需要は比較的高い傾向にあります。レバテックが2023年12月に実施した職種別求人倍率では、C#の求人倍率は3.0倍(1人につき3つの求人がある状態)と堅調な推移です。フリーランス向けの求人数もC言語やPythonとほとんど変わりません。
また、C#はゲーム開発市場において、高い人気のある言語です。特定の分野で重要な役割を果たしている点から見ても、安定していると判断して良いでしょう。ただし、JavaScriptやPHPなどと比較すると、案件数では少ない傾向にあります。
C#エンジニアの年収を上げる方法
.png)
C#の勉強を続けて年収を上げる
C#エンジニアとして活躍するには、常にC#の勉強を続けなければいけません。年1回リリースされる新バージョンの機能や.NET 8の新機能、ASP.NET Coreの最新アップデートなど、常に最新状態をキャッチアップし続けるようにしましょう。
学習意欲をもつことで仕事の幅が広がり、高収入に繋がる可能性があります。場合によっては資格を取得し、客観的に実力を証明するのもオススメです。
実務経験を積んで年収を上げる
C#エンジニアとして年収をアップさせるには、C#の実務経験を積むのが効果的です。開発や運用・保守業務に携わり、経験を積んでいきましょう。
フロントエンドからバックエンド、データベース設計まで一貫して担当できるフルスタック経験があると、より市場価値が高まります。チームリードやプロジェクトマネジメントの経験も年収アップに直結します。
その他、大規模システムの開発経験やセキュリティ対策など、高度なスキルが求められる案件への参画もオススメです。
C#以外の開発スキルを磨いて年収を上げる
C#以外のプログラミング言語を身につけるのも、年収アップには効果的です。JavaやJavaScript、Pythonといった人気の言語を習得しておくと、仕事の幅が大幅に広がります。例えば、JavaScriptでフロントエンド開発、PythonでAI・データ分析、Javaでエンタープライズ系開発といった形です。
高単価案件では、複数の開発スキルを求められる場面があります。習得技術によって差別化を図れるため、習得しておくと有利です。
上流の仕事に関わって年収を上げる
上流の仕事に関わるのも年収アップには欠かせません。システム設計やアーキテクチャ設計、要件定義といった上流工程は高度な技術力とビジネス理解が求められるため、必然的に高い報酬が設定されています。年収もアップしやすいでしょう。
顧客との折衝能力やチームマネジメント、技術的な意思決定力などのスキルが必要になりますが、身につけられればキャリアアップも可能です。エンジニアとしてさらにキャリアを築く方法としてオススメです。
C#エンジニアのおすすめキャリアパス
.png)
上流工程を目指す
C#エンジニアとしてのキャリアパスとして、上流工程を目指すというものがあります。技術的な専門性を活かしながら、より大きな責任とやりがいを求める人に適した道筋です。例えば以下のような職種があります。
- システムアーキテクト
- プロジェクトマネージャー
- テクニカルリード
- ITコンサルタント
ただし、上流工程では技術力以外にチームマネジメントやコミュニケーション能力などのビジネススキルが求められます。キャリアを積む中で少しずつ磨いていきましょう。
フルスタック開発者を目指す
C#エンジニアとして、他のプログラミング言語を習得しフルスタック開発者を目指すキャリアもあります。フロントエンドやバックエンド、データベース、インフラまで一貫して担当できる人材は、企業から非常に重宝されます。
C#以外の言語や技術を習得し、他のスキルと合わせて市場価値を高めていく形です。特にスタートアップやアジャイル開発では、幅広い技術に対応できる人材として、高い評価を受けられるでしょう。
リーダーやマネージャーのポジションを目指す
リーダーやマネージャーのポジションを目指すキャリアもあります。技術力を基盤としながら、組織運営や人材育成に重点を置いたキャリアです。例えば以下のようなポジションがあります。
- チームマネジメント
- プロジェクトマネジメント
- 開発部門長
- CTO
技術リーダーや開発マネージャーとしてのキャリアを築いていく形です。ただしマネジメント能力が必要になるため、技術力だけでなくビジネススキルや調整力も重要になります。
フリーランスとして独立する
C#エンジニアとして独立し、フリーランスとして活躍する方法もあります。この場合、年収は頑張り次第でどこまでも高くなりますが、会社員と違い生活は安定しません。案件の切れ目や景気の影響を直接受けるリスクがあります。
また、営業活動や契約書作成、確定申告といった事務作業も自分でしなければいけません。人によっては仕事の不安定さがストレスになるため、最低でも3~5年の実務経験を積み、人脈やスキルを十分に蓄えてから挑戦してみると良いでしょう。
まとめ
C#は将来性が高い言語ですが、Microsoftに依存している側面を持っている言語でもあります。サポートや幅広い開発分野への適用、AI・VR分野での活用など、将来性を支える要素は多くありますが、市場での優位性は低いと言わざるを得ません。
これらの点から見ても、C#エンジニアとして成功するには、継続的な学習と他の技術との組み合わせがポイントになるでしょう。
今回紹介した方法を参考に、自分に合った形でC#エンジニアとしてのキャリアを築いてください。











