C#(Cシャープ)とは?
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人気の高いプログラミング言語の1つ
C#は、Microsoftに所属するエンジニアのアンダース・ヘルスバーグ氏が2000年に開発したプログラミング言語です。C++やJavaを参考に開発されたのもあり、オブジェクト指向を採用しています。
2025年現在でも多くのエンジニアに使われており、プログラミング言語人気ランキングでは常に上位に位置しています。汎用性も高く、企業の業務システムから個人開発まで、幅広い規模のプロジェクトで採用されている言語です。
Windows以外のOSにも対応している
以前はWindows専用の言語というイメージが強かったC#ですが、現在は状況が大きく変わっています。.NET Coreの登場により、macOSやLinuxでも動作するようになり、クロスプラットフォーム対応が実現しました。これにより、開発者はOSを選ばずにC#でアプリケーションを作成できます。
近年はクラウドサービスでの利用も増えており、AmazonやGoogleのクラウド環境でもC#アプリケーションを動かせるようになってます。
C#と他のプログラミング言語との違い

C言語との違い
C#とC言語は名前が似ていますが、実際には大きく異なる言語です。C言語は1972年に開発された古い言語で、メモリ管理を手動で行う必要があります。こうした点から、C言語は自動車や家電のようなハードウェアリソースの制約が激しい組み込みシステムなどで使用されています。一方、C#は自動的にメモリを管理してくれるため、C言語のようにメモリの制約を気にする必要がありません。そのため、Webアプリケーションやデスクトップアプリケーションといた分野で利用されています。
また、C#は共通言語基盤という仮想環境上で動作するため、セキュリティが高く、異なる言語との連携も可能です。C言語のようにシステム開発を中心に使われるのではなく、Webアプリケーションやデスクトップアプリなど、より幅広い用途で活用されています。
なお、C言語の難易度については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ確認してください。
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・C言語の難易度は高い?習得のメリットと学習のポイント
https://docs.google.com/document/d/1tTvgRuG3O75Wc1TLNps13VRgkd-9LTgkNl2-KnkJ_0c/edit?usp=sharing
C++との違い
C++はC言語にオブジェクト指向の機能を追加した言語ですが、C#とは設計思想が異なります。C++は高いパフォーマンスを重視する一方で、メモリ管理やポインタの扱いが複雑です。
C#はパフォーマンスよりも開発のしやすさを重視しており、危険なポインタ操作は制限されています。また、C#には豊富なライブラリが標準で用意されているため、少ないコードで多くの機能を実現可能です。
ゲーム開発においても、C++は主にエンジン開発、C#はゲームロジックの実装に使われるケースが多く見られます。
Javaとの違い
JavaとC#は非常に似ている言語で、実際にC#の開発時にはJavaが参考にされました。両言語ともオブジェクト指向であり、自動メモリ管理機能を持っていますが、以下のように異なります。
- C#:Microsoftの技術との連携を重視している
- Java:1度書けばどこでも動く
また、C#の方が後発のため、より現代的な機能が言語レベルで組み込まれています。開発環境についても、C#はVisual Studioとの親和性が高く、統合開発環境での作業効率が優秀です。
C#の6つの特徴

オブジェクト指向である
C#はオブジェクト指向プログラミングを基本とした言語です。オブジェクト指向とは、現実世界の「もの」をプログラムで表現する考え方で、コードの再利用性や保守性を高める特徴があります。
例えば、「車」というオブジェクトには「色」や「速度」といった属性と、「走る」「止まる」といった動作を定義できます。この考え方により、大規模なプログラムでも整理されたコードを書け、チーム開発での作業効率を向上できるのがオブジェクト指向です。
Javaと似た文法を使う
C#はJavaを参考に作られているのもあり、文法がJavaに非常に似ています。そのため、どちらかの言語を習得していれば、もう一方も比較的簡単に学習できるでしょう。
例えば、変数の宣言方法や条件分岐、ループ処理などの基本的な構文は共通点が多く、プログラミング経験者にとって習得しやすい要因の1つです。
さらにC#独自の機能もあるため、Javaよりも効率的で読みやすいコードも書けます。他言語からの移行もスムーズにできるでしょう。
難易度が高くないため初心者向けである
C#は、初心者にとって学習しやすい言語として知られています。メモリに保存された変数の場所を示すポインタ操作の使用を制限していたり、メモリ管理が自動で行われたりするのもあり、複雑な部分を意識せずに済むためです。特にポインタは間違えて入力するとエラーを起こす原因になるため、学習時のつまずきを防ぐ効果もあります。
また、コンパイル時にエラーをチェックしてくれるのもあり、実行前に多くの問題を発見できます。20年以上の歴史で積み重ねられた豊富なドキュメントやサンプルコードも用意されており、困ったときに解決策を見つけやすい環境も整っている点も魅力です。
Windowsと相性が良い
C#はMicrosoftが開発した言語のため、Windows環境での開発において最適化されています。特にWindowsの機能を活用したアプリケーション開発が容易で、ファイルシステムやレジストリへのアクセス、Windowsサービスの作成なども簡単にできます。
また、WordやExcelなどのOffice製品との連携も可能です。現在の企業環境ではWindowsが主流のため、C#で開発されたアプリケーションは導入しやすく、運用面でも安心です。
VIsual Studioと相性が良い
C#の開発では、Microsoftの統合開発環境である「Visual Studio」が良く使われます。同じMicrosoft製品とあって両者の相性は非常に良く、開発に必要な機能がすべて揃っています。
特に、Visual Studioはアプリ開発において重要なツールです。エンジニアなら触れる機会が多いため、C#の学習を通じてVisual Studioでの開発も学べるのは大きなメリットになります。
Unityと相性が良い
C#は、ゲーム開発エンジンのUnityで採用されている主要な言語です。Unityは世界中で広く使われているゲーム開発ツールで、2Dや3D、VRまで幅広く対応しています。そのため、C#を学習すれば、スマートフォンアプリのゲームから本格的な家庭用ゲームまで幅広く開発できるようになります。
Unityの利用数から見ても、ゲーム開発をするなら、C#は必須の言語といって良いでしょう。
C#を習得したらできること6選
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業務システムの開発
C#は、Microsoftが開発しているだけあり、Windows製品との相性が良いプログラミング言語です。特に以下のような企業の業務システムでは高い人気を誇ります。
- 在庫管理システム
- 顧客管理システム
- 会計システム
こうした企業の日常業務を支えるアプリケーションを効率的に開発できます。また、セキュリティ機能も充実しており、企業レベルで求められる安全性を確保できる点も魅力です。
長期間の保守・運用にも対応できるため、様々な業務システムの開発に携われるでしょう。
Webアプリの開発
C#は「ASP.NET Core」というフレームワークを使用することで、Webアプリケーションを開発できます。ECサイトやSNS、ブログシステムなど、様々なWebサービスの構築が可能です。
また、クラウドサービスとの連携も容易で、スケーラブルなWebアプリケーションを効率的に開発できます。セキュリティ対策やパフォーマンス最適化の機能も豊富に用意されているのもあり、プロダクションレベルのWebアプリケーション開発に適しています。
スマートフォンアプリの開発
C#は、.NET MAUIを利用して、iOSとAndroidの両方に対応したスマートフォンアプリの開発も可能です。1つのコードベースで複数のプラットフォームに対応できるため、開発効率が大幅に向上します。
さらにネイティブアプリと同等のパフォーマンスを実現でき、カメラやGPS、プッシュ通知などのスマートフォン固有の機能も利用できます。習得することで、個人開発から企業のアプリ開発まで、幅広いニーズに対応できる人材になれます。
GUIアプリの開発
C#では、Visual Studioを利用して、GUIアプリのGUI部分を簡単に開発できます。ドラッグ&ドロップで開発できるため、コードを書く必要もありません。ボタンやテキストボックス、リストなどの部品を組み合わせるだけで、すぐに構築できます。
例えば、画像処理ソフトやテキストエディタ、システム管理ツールなど様々な用途のアプリケーションが開発可能です。Windowsの標準的な操作感を持ったアプリケーションを開発したい場合に重宝します。
デスクトップアプリの開発
C#では、Windows向けのデスクトップアプリケーションを効率的に開発できます。.NET Frameworkや.NET Coreを基盤として、高性能で安定したアプリケーションを作成可能です。
ファイル管理ツールや画像ビューア、計算ソフトなど、日常業務で使用される様々なツールを開発できます。さらに、インストーラーの作成やアップデート機能の実装も簡単なので、配布・運用もしやすくなるでしょう。
ゲームの開発
C#は、Unityエンジンを使用してプロレベルのゲーム開発も可能です。2Dパズルゲームから3Dアクションゲームまで、ジャンルを問わず開発できます。PCや家庭用ゲーム機、スマートフォンなど様々なプラットフォーム向けのゲームを、1つのプロジェクトで作れるのも魅力です。
また、物理演算やアニメーション、サウンド処理などの複雑な機能も比較的簡単に実装できます。個人での開発から大手ゲーム会社での開発まで、幅広い規模のプロジェクトで活かせます。
C#を使うメリット・デメリット

C#を使うメリット
C#は初心者でも理解しやすい文法でありながら、非常に多くのメリットもあります。特に以下のメリットは、C#の強みともいえる部分です。
- ライブラリが充実している
- 用途が幅広い
- 開発環境を構築しやすい
- 対応可能なプラットフォームが多い
- 実行速度が速い
- カスタマイズ性が高い
- メモリリークが起こりにくい
- 実務経験次第で転職にも有利になる
C#はJavaと同じように静的型付言語であるため、ある程度の経験を積んでおくとGoやPythonといった動的型付言語の学習をしやすくなる点も魅力です。
実務経験次第では転職にも有利になるため、習得するメリットは大きいといえます。
C#を使うデメリット
- 低スペックPCでの開発に向いていない
- ゲーム開発以外での利用が少ない
C#はVisual Studioを使用するため、PCの容量を多く使用してしまいます。そのため、低スペックPCでの開発は難しいと言わざるを得ません。
また、ゲーム業界での活用事例が多い言語でもあるので、それ以外の業界での活躍も視野に入れている場合は、他の言語を検討した方が良いでしょう。
C#の初心者向けオススメ学習法

書籍を使う
C#の学習では、体系的に整理された書籍がオススメです。基礎から応用まで順序立てて学習できるため、初学者でも習得しやすいでしょう。隙間時間を利用して自分のペースで学べる点も魅力です。
例えば、初学者向けに以下のような書籍があります。
- C#の絵本 第2版 C#が楽しくなる新しい9つの扉 | 翔泳社
- 確かな力が身につく C#「超」入門 第3版 | SBクリエイティブ
- やさしいC# 第3版 | SBクリエイティブ
- 基礎からしっかり学ぶC#の教科書 第3版 | 日経BP
どれも重版されているものなので、書店に行けば高確率で見つかるでしょう。手に取ってみて、中身を確認してみてください。自分に合っている内容であれば、学習もはかどりやすくなります。
ただし、学習の時間を継続的に確保しなければいけません。疑問点があっても自分で解決しなければならないため、挫折する可能性が高い点には気を付けましょう。
学習サイトを使う
学習サイトを使ってC#を学習する方法もあります。動画や実習環境が整っているため、効率的に学習を進められます。以下の学習サイトが有名です。
- Udemy
- Paizaラーニング
- ドットインストール
実際にコードを書きながら学習できたり、質問機能やコミュニティがあったりすると、より効率的な学習ができます。中には無料コンテンツも提供されているところもあるため、まずは無料で試してから有料コンテンツを検討すると良いでしょう。
プログラミングスクールで学習する
C#のスキルを確実に身につけたい場合は、プログラミングスクールの利用もオススメです。コストはかかるものの、講師から直接指導を受けられるため、基礎から体系的に学べます。また、疑問点もすぐに解決でき、効率的に学習を進められる点も魅力です。
さらにスクールによっては就職・転職サポートまでしてくれるところまであります。エンジニアへの転職を目指している方や、効率的にC#を習得したい方は検討してみましょう。
まとめ
C#は、初心者でも学習しやすく、実際の開発現場で幅広く活用されている実用的なプログラミング言語です。習得することでWeb開発から業務システム、スマートフォンアプリ、ゲーム開発まで、様々な分野で活躍できます。
習得の難易度も低く、学習方法も書籍や学習サイト、プログラミングスクールなど様々な方法があります。ぜひ自分に合った方法でC#を身につけ、キャリアに活用していってください。











