――現在の担当業務の内容、使用する技術、勤務形態を教えていただけますか?
クライアントの社内人事システム開発をフロントメインで担当

仕事内容
現在の勤務先である株式会社RIT(リット)に入社したのは、2023年5月です。現在は、大手法律事務所の社内人事システム作成プロジェクトのメンバーとして活動しています。この人事システムには、申請や評価、サーベイなどの機能が装備されており、私の主な担当領域は評価機能の実装です。フロントエンジニアとしての業務だけでなく、設計・開発から保守・運用まで、フルスタックエンジニアとしての業務に携わっています。そのため、開発業務を進める際に、運用や改善のしやすさを十分に考慮する必要があります。
プロジェクトの構成メンバーは8人で、7人が社員、1人はグループ会社のスタッフです。クライアント側には2人の担当者の方が固定でいらっしゃいます。メンバー個々の作業内容や進捗、クライアントからのフィードバックなどをプロジェクト全体で確実に共有して、業務を進めることが重要です。
業務で使用している技術
今参加しているプロジェクトの業務では、WebフレームワークであるHono、Next.jsを使用しており、インフラとして使用しているのは、AWS(Amazon Web Services)です。
開発手法としては、小さな単位で実装とテストを繰り返して開発を進める、アジャイル開発を導入しています。アジャイル開発では、 一気に凝縮してフィードバックを回収できるので、業務効率が高まり、開発期間の短縮も実現できます。
クライアントとのやりとりは、Slackが中心です。社内のコミュニケーションには、バーチャルオフィスツールのGatherを利用しています。Gatherを使っていると、話をしたい相手のステイタスを具体的に知ることができるので、適切なタイミングでコミュニケーションを取ることができます。
勤務時間・勤務形態
勤務時間が定められていない、完全裁量労働制で働いています。私が業務に充てている時間は、昼休みを含めて9時~19時です。土日と祝日が休日ですね。
また、RITはフルリモートなので、入社して以来、一度も出社したことはありません。いつも自宅の仕事部屋で業務を行っています。イベントなどで社員が集まるのは、年に1回程度です。
――現在の仕事の魅力と大変なことは?
新たな技術を積極的に取り入れる職場で得られる貴重な経験
今の仕事の良いところ
RITは、新しい言語やフレームワークといった技術を積極的に取り入れるという姿勢を持っています。最新技術に関する知識や経験を蓄えることができる職場環境は、エンジニアとしてのスキルアップに直結する、たいへん魅力的なものです。
勤務形態が完全裁量労働制でフルリモートなので、自分が快適だと思うスタイルに合わせた働き方を実現できる点も、大きなメリットだと感じています。
また、リモートで仕事をする社員が快適に働くことのできる環境作りをサポートする制度が充実しており、自宅の仕事部屋でストレスなく業務に集中することができます。自宅での作業用に会社からMacBook、もしくはWindowsのノートパソコンが支給されるんですが、開発効率を高めるために購入するディスプレイやパソコンチェアなども、経費として会社に申請できます。
今の仕事の大変なところ
新しい技術をどんどん取り入れる職場なので、当然、覚えることも数多く出てきます。そういった新たな技術やツールをキャッチアップし続ける必要がある点は、この会社の魅力ですが、もちろん大変な部分でもあります。
――現在の勤務先に転職したきっかけを聞かせてください。
クライアントにしっかりと伴走するというビジョンに感銘を受けた

仕事に就いたきっかけ
転職を考えたきっかけは、前職がレガシーな現場だと思うようになったからですね。最新の技術にふれることなく仕事をしていたので、 エンジニアとしての自分の市場価値や今後のキャリアアップについて考えた時に、このままでは厳しいと考えました。
また、クライアントにとって価値のあるものを提供するための改善提案が業務に反映されにくい環境だと感じたことも、転職を検討し始めた理由のひとつです。
転職活動を行った結果、RIT への入社を決めた第一の理由は、クライアントのビジネスを成長させるために、しっかりと伴走してサービスを作り込んでいくというRITのビジョンに感銘を受けたことです。
エンジニアをとても大切にしている会社であること、新しい技術を積極的に取り入れていることにも、大きな魅力を感じました。
――1日の基本的な流れ、休日の過ごし方は?
休日の時間を活用して、新しい技術を実際に使ってみる
1日の流れ
毎朝だいたい6時頃に起きて、まず7時頃までは愛犬といっしょに散歩に出かけています。散歩から帰ると妻を駅までクルマで送って、その後に朝食を食べます。
8時~9時の1時間は、パソコンデスクで仕事に入る前の準備や、トレンドの技術に関する情報のチェックなどをします。その後9時~12時まで午前中の仕事をして、12時からの約1時間が昼休みです。13時から18時~19時まで午後の業務に取り組みます。
業務完了後、だいたい20時までは部屋でのんびりしたり、夕方の愛犬の散歩に行ったりします。20時頃に妻を駅に迎えに行ってから、夫婦でいっしょにご飯を食べます。
夕食後の時間は、気になる技術に関する情報収集や読書など、エンジニアに必要な情報のキャッチアップに使うことが多いですね。RPG系のゲームをすることもあります。就寝時間は、だいたい24時前後ですね。
基本的に家事は全部、私の担当です。そもそも料理が趣味だったので、仕事以外の時間に家事をするのは全く苦になりません。料理や掃除をすることが、仕事とプライベートの気分の切り替えにも役立っていると思います。
休日の過ごし方
私自身がインドア派なので、休みの日もあまり家から出ないんですよね。愛犬と散歩に出かけるだけで、それ以外の時間は自宅でのんびり過ごすことが多いです。
妻と休みが合うことが月に数回あるので、そんな日は愛犬といっしょにドッグランに出かけたり、買い物に行ったりして過ごします。夫婦共通の趣味が音楽のライブなので、好きなバンドのライブや音楽フェスなどがあった日には、いっしょに行くこともあります。普段は外出することが少ないので、休日に妻と外で過ごす時間は、リフレッシュのための大切な機会です。
休日にひとりで過ごす時間は、新しい技術などのキャッチアップに使うことが多いですね。興味を持った新しいフレームワークについて調べたり、実際に使ってみたりしています。休みの日まで仕事関係のことをしているつもりはなくて、ゲーム感覚じゃないですけれど、楽しみながら技術にふれているという感じです。
――これまでの学習内容、取得した資格を教えてください
国家試験のITパスポート、AWS認定試験などを取得

これまでの学習内容
大学は教育学部だったので、特にITやプログラムについて学ぶような機会はありませんでした。ただ、学生時代に自作パソコンを組み立てていたので、パソコンやITにとっつきやすかったのかなとは思っています。当時、友人とPCゲームをやりたいなって話していて、スペックの高い高額なマシンを買うわけにもいかなかったので、自分たちで部品を選んで3台ほど自作したんです。
大学卒業後に新卒入社した前の勤務先でシステムエンジニアとして働き始め、金融機関向けのパッケージソフト開発を担当しました。その職場で設計から構築、保守運用までの業務を一通り経験しました。
前職の業務を通じて知識やスキルを学んだ技術は、クラウドサービスのAzure、C#やCOBOLなどの言語、それにOracleのデータベースなどです。
AWSについては転職前から情報収集をしていましたが、本格的に学び始めたのは現職に就いてから。今の仕事で使っている技術の大半は、初めて利用するものでした。
Web領域の技術が未経験だったので、転職時はいったん前職よりも年収が下がったんですが、現在は前職退職時の年収よりもアップしています。
保有資格
2023年にITパスポート試験と、AWS認定試験のCloud Practitionerを取得しました。 前職在職中にMicrosoft Azure認定資格のFundamentals(初級)を取っています。
資格名 | 取得年月 | 概要 |
ITパスポート試験 | 2023年10月 | ・ITを利用する上で必要となるITに関する基礎的な知識を備えていることを証明する国家試験 ・AIやビッグデータ、IoTといった新しい技術、アジャイルなどの新しい手法に関する知識にくわえて、経営戦略やマーケティング、財務、法務に関する知識、ITセキュリティやネットワークなどの知識、プロジェクトマネジメントの知識など、非常に幅広い分野の知識が問われる |
AWS認定試験Cloud Practitioner | 2023年10月 | ・AWSクラウドサービスや用語に関する基礎的な知識やスキルを有していることを証明する資格 ・クラウドを初めて使用する受験者向けに設計された、AWS認定の出発点となる試験 |
Microsoft Azure認定資格Fundamentals(初級) | 2022年12月 | ・全般的なクラウドの概念と、クラウドサービスであるMicrosoft Azure に関する基本的な知識を備えていることを示す資格 ・AzureアーキテクチャコンポーネントとAzureサービスオープンソースを用いて、小規模なデータベース開発や運用管理を実践するエンジニアが対象。インフラストラクチャやデータベースの管理、ソフトウェア開発に関するスキルが問われる |
――スキルや知識向上に役立った書籍は?
リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック
優れたコーディング技法を学ぶことができる『リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック』です。エンジニアはこれを読まないとだめだよねって言われているのが『リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック』。これはエンジニアを名乗るのであれば、絶対に読んだ方がいいでしょう。より良いコードを書けるようになる本です。今もたまに読み返すと、自分がまだ十分にできていないことが確認できます。
情熱プログラマー/ピープルウエア
純粋な技術本ではないですが、エンジニアとしてのマインドを知ることができ、大きな影響を受けたのが『情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方』と『ピープルウエア』の2冊です。
――今後の目標やキャリアパスについてお聞かせください
エンジニアとしてのスキルを向上させ、チームリーダーをめざしたい
興味のある技術
最も興味を持っている技術は、現在の仕事で使用しているAWSです。AWS関連の知識やスキルをさらに向上させていきたいと思っています。
オープンソースのフルスタックWebフレームワークのRemixにも興味があり、Remixに関する知識を習得しようと考えています。
今後のキャリアパス
大きな軸は変えることなく、エンジニアとしての技術力をどんどん高めていきたいと考えています。現状は、インフラ関連の知識が不十分なので、AWSなどのインフラ系の知識を蓄え、本当の意味でフルスタックと言われるようなエンジニアになりたいですね。
あとは、今はメンバーとしてプロジェクトにアサインされているので、2、3年後には自分がチームリーダーとして案件を回せるようになりたいと思っています。
――フロントエンドエンジニアに求められる適性とは?
知的探求心を持ってプログラミングを楽しむことができる人
この職種に適性がある人
大きく分けて2つの適性があると思っています。まず、知的探求心がある人だということ。疑問に思ったことや興味が湧いたことを自発的に調べようとする意識と姿勢は、エンジニアにとって必要不可欠なものだと感じています。
また、コードを書くことを楽しいと思える人は、エンジニアに向いてるのかなと思います。楽しみながらコードを書くことができれば、自然に業務品質も向上するはずです。
私のおすすめガジェット
打鍵感の良いキーボード
パソコン周辺機器でおすすめしたいのは、HHKBのProfessional HYBRID Type-Sというキーボードです。キーボードを押す時の打鍵感がとても気持ちいいんです。一般的なキーボードは、押すとカチッというメカニカルな音がしますが、このキーボードはタイピング時の音がとても静かで、優しく沈み込むような感じがします。HHKBのキーボードは、エンジニアの愛用者が多いですね。
手元がラクなマウス
よくPCゲームをしていた時期に、さまざまなメーカーのマウスを使ってみました。最近、ロジクールのトラックボールというマウスに買い替えたんですが、作業をする時に手元がとてもラクになりました。長時間、仕事をしても疲れないおすすめのマウスです。
まとめ
フロントエンドエンジニアとして活躍している方の仕事内容や今後イメージしているキャリアパスについてお伺いしました。
これまでにどのようなインプットを経て現職に辿り着いたのか、今の仕事で大変なことなど実際にエンジニアとして働いているからこそのリアルな声をシェアしていただきました。
未経験からエンジニアを目指している方や転職を考えている方にとって非常に貴重なインタビューでしたので、皆様の今後の活動の参考になれば幸いです。