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多様な業界の知識を吸収しながら人や組織のマネジメントに役立てていく|QAエンジニア

QAエンジニアの方にインタビューをしました。日々どんな思いで仕事に向き合い、やりがいはどこにあるのでしょうか。業務内容やキャリアの歩み、そして今後の展望について迫っていきます。

更新日: 2025/05/01
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――まず現在、担当している業務についてお聞かせください

QAエンジニアとして、自動車向けスマホアプリ開発の品質保証を担当

コーディングするエンジニア

 

仕事内容

私が担当しているプロジェクトでは、自動車向けスマホアプリの開発を行っています。スマホで自動車をロックしたり、エアコンなどを操作したりするためのアプリです。プロジェクトメンバーの構成は、クライアントの社員が20~30人で、うちの社員が10人前後。開発メンバーを加えて、全体では50~100人の規模となっています。私がこのプロジェクトでの業務を始めたのは、2023年1月から。最終的なアプリのリリース時期は、2026年度末頃の予定です。

仕事のメインは、品質保証(QualiTy Assurance)に関するQAエンジニアとしての業務です。開発・テストに関するガイドライン作成から要件定義レビュー、テストの設計と実行、後輩が実施したテストの見直しまでを行っています。

同時に、プロジェクト全体のマネジメントに関するPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)的な業務も、PMからの依頼に応じて担当します。

 

業務で使用する技術

言語はJavaを使用しますが、コードを書く頻度は少なめです。クラウドサービスは、AWS(Amazon Web Services)を使用しています。

 

――1日の基本的な流れ、休日の過ごし方は?

1日3~4本のミーティングに参加。オフはテニスや旅行で心身をリフレッシュ

テニスコートに落ちてるテニスボール


1日の流れ

今の勤務先は裁量労働制なんですが、担当クライアントの勤務時間に合わせて8時45分~17時45分で仕事をしています。

現職は出社かリモートかを選択できるハイブリッド型を導入しており、私の場合は、ほぼフルリモートです。通勤に片道1時間半ほどかかるので、クライアントからも一定の配慮をしてもらっています。

朝起きるのは7時前後。業務開始後はまずチャットツールで連絡事項をチェックし、朝会に参加します。ミーティングは1日平均3、4本行います。その合間に資料作成などの業務を進めるという感じです。

仕事が終わった後は、平日に週2回ほど近所のテニススクールに通っています。スクールで仲良くなった人たちとテニスをすることもあります。テニスがない日は、散歩がてら外で夕食をとってから、 スマホを見たりテレビで録画した番組を見たりすることが多いですね。夜12時頃には就寝します。

 

休日の過ごし方

休日もテニスをすることが多いですね。平日の仕事の後や休日にテニスを楽しむ時間は、オンからオフに気分を切り替えてリフレッシュするために欠かせないものです。

テニススクールに行き始めたのは、2022年の春頃なので、もう3年目になります。全くの未経験だったんですが、少し身体を絞ろうと思って始めました。キックボクシングやヨガなども試してみた結果、テニスがいちばん楽しくて続けています。今ではすっかり生活の一部になっています。テニスを始めてから、近所に友だちが増えたことも、大きなプラスですね。

友人との旅行も、休日の大きな楽しみです。2024年の夏には埼玉に行って、プロ野球観戦をしました。その少し前には中国の上海と深セン、伊勢神宮を訪れました。元々、海外旅行が好きで、大学時代は1人でヨーロッパを巡ったこともあります。社会人になってからもコロナ前までは、香港やスペインなど年に1、2回は海外旅行をしていました。

 

――現在の仕事の魅力と大変なことは?

担当した案件ごとに導入する業界の知識を身につけることができる


今の仕事の良いところ

担当する案件ごとに新たな業務知識を習得できることは、最大の魅力だと思っています。これまでの業務経験を通して、保険やアパレル、自動車といった業界に関する知識を身につけることができました。自社以外でも通用するスキルを学べること、他業界に比べて給与水準が高いこと、リモートワークがしやすいことなども、メリットでしょう。


今の仕事の大変なところ

新しいプロジェクトに入った当初は、 クライアントの業界で使われる用語がわからない状態から業務を始めることになります。 そこがいちばん苦労する点です。業務を通じて業界に関する知識を学びながら自分でも学習を進め、不明点はその業界に詳しい先輩に積極的に質問するように心掛けています。

また、クライアントによってITに関する知識レベルや、用意されている資料の質や量が大きく異なります。クライアントの現状を理解した上で、適切な対応を検討することが重要です。

プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、納期と品質の両面を厳しく見られることになります。そうした要求に応えることに、大変さを感じることもあります。

 

――QAエンジニアになったきっかけを教えてください

テスト領域に興味を持ち、QAに強い現職へ転職

コードが映るPC

 

仕事に就いたきっかけ

新卒でIT業界の企業を志望した理由は、IT系の企業にはプログラミングだけでなく、マネジメント領域の職種もあることを知ったからです。当時からマネジメントに興味があって、仕事を通してマネジメントに活かせるような幅広い業務知識を身につけたいと考えていました。業界としての給与水準が高い点も大きな魅力でした。

大学院修了後は、大手生命保険会社グループのシステム開発会社に新卒入社しました。そこでは、開発チームのPL(プロジェクトリーダー)として活動していました。約3年半の業務を通して、エンジニアとしてのスキルとPLに求められるマネジメントスキル、保険業界や保険商品についての知識を得ることができました。
転職について検討を進めるうちに品質テスト領域に興味を持つようになり、、QAに特化したサービスを行っている現在の勤務先に転職したのは、2021年11月です。多くの従業員とグループ企業を持つ現職は、マネジメントスキルをよりいっそう向上させる機会が豊富な職場だと考えました。


――これまでの学習内容、取得した資格を教えてください

前職で昇格要件だった5種類の資格を取得。Excelのスキルも習得

 

これまでの学習内容

前の勤務先では、昇格要件資格が定められていて、IT関連では基本情報処理技術者と応用情報処理技術者の資格取得が必須だったので、早めに取得しました。くわえて業界関連の3種類の資格取得も必須だったので、試験準備はかなりハードでしたが全て取得しました。

こうした資格を取っていたことで、転職時に自信を持って履歴書を作成でき、資格取得に向けて自己研鑽した点を面接で伝えられたことが、プラス評価につながったと感じています。実際、前職の年収プラス50万円という、満足できるオファーをいただくことができました。

Microsoft Office、特にexcelのスキル向上も重視してきました。日本の大手企業には、excelのスキルが求められる会社が多いという印象があります。現在のクライアントでも前職でも、業務書類の作成にExcelを活用しています。

 

保有資格

前職在籍中の2018年~2019年に取得したIT関連の資格は、基本情報処理技術者と応用情報処理技術者。転職後の2023年1月に、QAエンジニアを対象とするJSTQB認定テスト技術者資格Foundation Level試験を取得しました。

前職で必須資格だった生命保険講座、日商簿記3級、ビジネス実務法務検定3級も2019年に取得。2024年1月には、FP(ファイナンシャルプランナー)技能検定3級を取得しました。FPはIT業界と相性がいい資格で、将来的に役立つものだと思っています。

資格名取得年概要
基本情報処理技術者試験2018年・ITを活かしたサービスやプロダクト、システムなどを作る人材に必要な基本的な知識・技能を備え、実践的な活用能力を身につけていることを証明する資格
・試験では、ITを活用した戦略立案、システムの企画・要件定義、設計・開発・運用などに関する知識やスキルが問われる
応用情報技術者試験2019年・技術から管理、経営までの幅広い知識と応用力を習得し、システム開発やIT基盤構築などのフェーズで活用できる、専門能力を有していることを証明する資格
・試験では、ITを活用した戦略立案、システムの企画や要件定義、設計・開発・運用などに関する高度な知識やスキルが求められる
JSTQB認定テスト技術者資格Foundation Level試験2023年・ソフトウェア技術者のテスト技術向上をめざした資格制度。
・Foundation Level試験では、ソフトウェアテストの基礎知識が問われる
生命保険講座2019年・生命保険会社を運営する上で必須となる知識を有していることを証明する資格
日商簿記3級2019年・基本的な商業簿記を習得し、経理関連書類の適切な処理を行うことができることを証明する資格
ビジネス実務法務検定3級2019年・あらゆる職種で求められる基礎的な法律知識を備え、法律的な問題点を発見できることを証明する資格
FP技能検定3級2024年・ファイナンシャルプランナーをめざす際の入門資格

 

――スキルや知識向上に役立った書籍は?

Javaの基本を学んだ『スッキリわかるJava入門』

 

スッキリわかるJava入門

 

前職でJavaを使い始めた時に参考にしたのが『スッキリわかるJava入門』です。Javaの基本は、ある程度これ一冊で学習できると思います。    

 

かやのき先生の基本情報技術者教室

かやのき先生の基本情報技術者教室

 

『かやのき先生の基本情報技術者教室』は、前職で必須だった情報処理系の資格取得準備に使ったテキストです。この本と過去問を活用して、基本情報技術者を取得しました。


――今後の目標やキャリアパスについてお聞かせください

フリーランスエンジニアへの挑戦、IT以外の業界での活動を検討中

 

今後のキャリアパス

フリーランスエンジニアに挑戦したいと考えています。会社員としてエンジニアをしていると、勤務地やいっしょに働く人を自分で選べません。私にとっては、このことがマイナス要素なんです。 フリーランスエンジニアであれば、エージェントさんが有している案件に対して、直接応募することができます。実際に働いてみて、この現場で頑張っていきたいと思ったら、クライアントから必要とされる限り、働き続けることも可能です。自分がここで頑張りたいと思っても、会社員は状況によって希望通りにならないこともあります。IT業界は、エージェントサイトなどが充実しているので、フリーランスになるハードルもそれほど高いわけではないでしょう。

フリーランスエンジニアと聞いて、ひとつのツールを作って報酬を受け取るような働き方を想像しがちですが、実際には特定のプロジェクトで100時間以上働くという条件の案件もあるように感じています。会社員から転身しても、再現性は高いでしょう。

フリーランスへの準備として、知人のデザイナーが顧客とコミュニケーションを取る際の交渉方法やチャットツールの使い方などを大規模開発の経験をもとにアドバイス、サポートする活動を、少しずつ始めています。これまでの業務で、さまざまな相手と交渉してきた経験を活かすことのできる活動だと思っています。

このデザイナーのアドバイザーとしての活動とも関連するんですが、IT以外の業界で秘書的な業務に取り組むという選択肢も検討中です。私の適性は、誰かのサポートをする業務にあるんじゃないかと感じています。専門性の高い職種の人とパートナーになって、その人をサポートしながらプロジェクトを進めるような業務に挑戦したいと考えています。そうした業務に就くことを考えた際、IT業界に限定する必要はないはずです。業界や分野を問わず、プロジェクトを円滑に進めるWBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)的なものを策定し、マネジメントする業務に挑戦したいと思っています。

 

――QAエンジニアに求められる適性とは?

思考を言語化できる人、凝り性な人、多様な知識を得たい人に適した職種

本の上に置かれた眼鏡

 

この職種に適性がある人

QAエンジニアに向いていると私が考えるポイントは、3つあります。

まず、自分自身の考えを適切に言葉にできる人。どんなことを考えていて、何をどこまで理解しているのかを、具体的に周囲に伝える必要があります。チームと自分自身の現状を認識した上で、調整していくコミュニケーション能力が重要な職種だと思っています。

凝り性な人も、適性があるのではないでしょうか。私自身は凝り性じゃないんですよ。ひとつのことだけを追求するよりも、幅広い知識を得たいと思ってしまうほうだと思っています。QAに限らず、エンジニアの業務は調べることが非常に多くなります。トラブルの原因を探り出す必要があるような状況では、凝り性であることは非常に重要な適性です。

また、幅広い分野に興味を持って知識を増やしていきたいと思えることも、適性のひとつでしょう。この職種はIT関連だけでなく、ITを導入する業界について学ぶ必要があります。さまざまな業界に興味や関心をもって仕事をする人が向いていると感じます。

IT業界は多様な人材を受け入れる業界です。私が入社した2018年当時でも、エンジニアの約6割が文系出身だと言われていました。新卒入社の際は、プログラミング経験がなくても問題ないのです。プログラミングができなくてもいいというのは、まだ意外と知られていませんが、想像以上に多種多様な人材が求められている業界なんです。

 

私のおすすめガジェット

 

マウス

エレコムのマウスを愛用しています。仕事でExcelを使うことが多い人には、横方向にスクロールできるサイドホイール付きのこのマウスがおすすめ。業務効率アップに役立っています。

 

まとめ

QAエンジニアとして活躍している方の仕事内容や今後イメージしているキャリアパスについてお伺いしました。
これまでにどのようなインプットを経て現職に辿り着いたのか、今の仕事で大変なことなど実際にエンジニアとして働いているからこそのリアルな声をシェアしていただきました。
未経験からエンジニアを目指している方や転職を考えている方にとって非常に貴重なインタビューでしたので、皆様の今後の活動の参考になれば幸いです。

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